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『古刹を巡る』その24。唐突な質問だが、『藤沢』は何により栄えた町であろうか。殆どの人が宿場町と考えるだろうが、実はそれ以前に遊行寺の門前町である。
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折角、藤沢に行くのだからと1時間早く家を出て、参詣する。JR藤沢駅北口を出て、歩道橋を渡り、みずほ銀行の横の遊行街道を真っ直ぐ行くと10分足らずで藤沢橋に出る。橋を渡り、次を右に行くと遊行寺の山門に辿り着く。
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この寺は『遊行寺』と呼ばれることが多いが、正式な名前は『時宗総本山藤沢山無量光院清浄光寺』で法主が遊行上人と藤沢上人と呼ばれるため、通称が遊行寺である。
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遊行寺は1325年に遊行上人第四代呑海が廃寺であった極楽院を再興したもので、足利尊氏から寺領6万貫の寄進を受けて発展、室町時代には藤沢は門前町として栄えた。
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山門をくぐると左右に並木が作られ、緩やかな階段を登ると目の前に見事なイチョウが姿を現わす。その樹齢は600年ともいわれ、黄色く色づいた葉は一体何枚あるのだろうと考えてしまう。
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左手には宝物館、少し行くと時宗の開祖一遍の銅像があり、その先には巨大な本堂がそびえ立つ。
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質素な中に気品がある立派な建物でカエデの赤、イチョウの黄色と素晴らしい調和を成している。残念な雨降りの中の参拝ではあったが、殆どこの風景を独り占めできてよかった。
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最後は横の出口から出て箱根駅伝では権田坂と共に有名な難所の遊行寺坂へ。風と雨が激しく、登らなかったが、なかなかきつく長い坂。歩道はイチョウの葉で黄色く染められたのが、印象的だった。
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