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『江戸の坂、東京の坂』その93。前回に続き、赤羽駅南側の坂道。前回に出てきた蛇坂の頂上までもどり、クランクのように歩いて行く道を行き、2つ目を左に曲がると道が細く、また、曲がるがこれが『鳳生寺坂』である。坂上の旧家の屋号から六右衛門坂とも呼ばれているが、坂を下りたあたりには鳳生寺という太田道灌開基の寺がある。
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その先をしばらく歩くと突き当たるがそれを右に曲がる。さらに道が二又に分かれ、右側の道が坂になって行くがこれが『野間坂』、これは右側に面している広大な土地がかつては講談社創立者の野間清氏の別宅があったため付けられたもの。
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現在は跡地が北区立稲付公園となっており、ここからは赤羽のかなりの部分を見渡すことができる。
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公園を抜けて少し先を左に下って行く階段坂があるが、これが『水車の坂』である。
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昔はこの下には水車小屋があり、近くの農家が利用していた。水車に荷物を運んできた馬が坂の途中から落ちて死んだため、お稲荷さんと馬頭尊が並んでいたという。今は稲付川が暗渠となり、名残も全くないが、この坂の上からの眺めは最高である。
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水車の坂を降りて少し歩くと二又になるが、この左側の坂が『游鯉園の坂』である。坂下にあった稲付川近くに游鯉園という川魚料理を食べさせる料亭があったため、この名前がある。
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赤羽駅南側は現在は住宅地となっているが、以前は寺と農地が広がっており、そこに稲付川が流れていたのんびりした場所であったことが坂道を歩くことにより少しわかったのは収穫。ただ、道がクネクネしてまた細いことから道に迷い、坂も勾配がきついので苦労も多い坂巡りとなった。