『藁ウ鴨ニハ福来ル』というのが、本日お邪魔したお店。吉祥寺にできた鴨のしゃぶしゃぶを食べさせてくれる店だが、店の名前には意味がある。この店のことを知ったのは土曜日の朝にやっている『ぶらり途中下車』という番組。数週間前に舞の海氏が紹介していたのだが、このVが実に美味そうだった。
しかし、翌週に予約したら満員、立ち飲みならと言われる始末。そうなると行きたくなるのが性分でようやく日曜日夜に席を確保した。店には6時に着いたが、かなりの入り。入口に近い立ち飲み席にも人がいる。この店に来たらやはり『鴨しゃぶ』と『鴨ネギ焼き』は外せない。鴨しゃぶ2人前と鴨ネギ焼き、鴨叩きを各1人前注文した。
まずはビールで乾杯、ハートランドがあるのが嬉しい。すると鴨叩きが登場、鴨の身を半分くらい火を通し、カイワレとネギで和えたもの。今年は冬が寒すぎて九条ネギがないのが残念。しかし、味はなかなかいい。
次にすき焼きなべに鴨の脂身が入ったものが登場。火を付けるといい具合に鴨の脂が溶け出してくる。これに鴨の身とネギを入れて行くのだが、自分で調理するのもいい。
やや、脂が跳ねるが紙エプロンで応戦。脂の部分はこんがり、身はあまり焼きすぎないよう配慮しながら食べる。薬味に大分産の塩漬け生胡椒やヘベスという宮崎産の柑橘のジュレを付ける。鴨の身は脂が乗ってもちろん美味いが、ネギもその脂を吸って甘く、絶品である。
追加の飲み物はサワーの中からヘベスサワーにする。ヘベスとは『平兵衛酢』と書き、宮崎にいた長曾我部平兵衛さんが見つけて育てた柑橘類で柚子より果汁が多く、カボスより香りが良いとされている。飲むとすだちと蜜柑の間のようで爽やか。
鴨ネギ焼きの後、たっぷりと鴨の脂が残るなべに鴨の出汁を入れ、まずは鴨のすり身を入れ、火は弱めにしておく。そこにさらに山盛りの白髪ねぎと鴨のモモ肉とロース肉の薄切りが登場。白髪ねぎを入れてから肉をしゃぶしゃぶする。
鴨ネギとはよく言ったもので少し藁で燻製にしてある身は香ばしく、これに3種の香辛料(黒七味、生山椒、カンボジア産の香り高い黒胡椒)などを振りながら食べる。香辛料もそれぞれ違う趣だが、特に黒胡椒は辛味が少ないがいい香りがして旨さ倍増である。
締めは蕎麦、中華麺、雑炊が選べるが、今回は雑炊にしてみた。鴨出汁がよく聞いた卵雑炊は幾らでも食べられる旨さであった。目の前にコンロを置くため夏はやや熱いかもしれないが、この旨さならばまた来てしまいそうになる。ご馳走さま。ちなみに店の名前が長いので自ら『わらがも』で通じるようだ。
藁ウ鴨ニハ福来ル
武蔵野市吉祥寺南町2ー8ー8
05055901818