『メトロに乗って』その111。東京メトロ丸ノ内線終点の荻窪駅の周辺を歩いてみる。丸ノ内線が荻窪に乗り入れた、正確には当時の荻窪線が開通したのは1962年1月である。元々は青梅街道には都電荻窪線が走っていたが、開通の翌年、1963年12月に廃止されている。荻窪駅を降りて北口に上がるとロータリーがあり、関東バスを中心に西武バスなどの起点となっていて頻繁にバスが出入している。
右側に歩くと昔ながらのアーケードが残っていて中華そばの丸福や鰻の川勢など有名店が数多くある。
そのまま線路に沿って行くと昔の踏切跡があり、さらに線路を横切る地下道がある。地下道を抜けると古めかしい居酒屋、『荻窪播州 酒と気分料理の店』という面白そうな店、入口には古民具が飾られていて、後で調べてみると40年来の老舗。ただ、気分料理はなかなか入るのに勇気がいる。
天沼陸橋の信号を右に曲がるとすぐに『西郊』という旅館が見えてくる。正面には右書きで『西郊ロッヂング』の金文字の看板、またドームが特徴的。洋風建築の建物は1938年築の建造物で元は高級下宿を運営、その後2001年に改築されて現在は賃貸アパートとして利用されている。
また、左手の本館は『西郊』という和風旅館として利用され、入口脇の柳も風情を醸し出している。ちなみに国の登録有形文化財であり、思わず写生をしたくなるような建物である。(以下、次回)