映画「大怪獣のあとしまつ」を観た。
途中から、何だかとっ散らかった映画だなと思いはじめた。どうやってまとめるのかなと案じていたら、とうとう収拾がつかないまま終わってしまった。もしかしたら、かなりの駄作かもしれないという思いを禁じえない。
そもそも映画のジャンルをどうしたいのか、決めないまま製作している感じだ。印象で言えばコメディ7割、ラブストーリー2割、怪獣もの0.5割、ヒーロー物0.5割というところである。
怪獣ものは、政治組織が絡むから群像劇のようになりがちだが、それでも主人公は必要だ。評価の高かったシン・ゴジラも登場人物がたくさんいたけれども、長谷川博己が主役だった。本作の主役は誰なのか。出演時間で言うと、土屋太鳳か濱田岳か、それともふせえりか。少なくとも山田涼介でないことだけはたしかだ。
取って付けたようなプロットが酷くて、何も心に響いてこない。誰にも危機感がないから、緊迫感ゼロの鑑賞になってしまう。やはり本作はお笑いなのだろう。しかしそれにしてはくだらないギャグやダジャレや意味不明のジョークばかりで、人間存在の馬鹿馬鹿しさを笑い飛ばすような、本物のお笑いは皆無だった。意味不明のキスシーンも理解不能。
松竹と東映の共同配給、沢山の登場人物、作り込まれたVFX、それに特撮と、お金は相当使ったんだろうなと想像できるが、残念ながら無駄遣いだったようだ。