三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「The Witch」

2023年05月19日 | 映画・舞台・コンサート
 映画「The Witch」を観た。
The Witch/魔女 | Netflix

The Witch/魔女 | Netflix

幼少期の記憶を失いながらも、平凡な毎日を送っていた高校生のジャユン。だがある出来事をきっかけに、見知らぬ危険な男たちにつけ狙われる身となってしまう。

 たしか最初の公開時はネットだけだったと記憶している。基本的に映画は映画館で観る主義なので、多少は気になっていたが観ないままだった。2023/5/26に続編が公開されるのに応じて劇場公開されたので、早速観に行ってきた次第。

 ゴア描写が多めだが、目を背けたくなるほどではなく、素早いアクションが見応えがある。しょうゆ顔のク・ジャユンが不敵な笑みを浮かべるところもいい。どんでん返しと言うほどではないが、ラスト近くになって、そうだったのかと思わせる展開には、上手くしてやられた。

 医学は人間のためだと思っていたが、宇宙開発やインターネットと同じように、結局最先端の科学は、軍事目的なんだなと改めて思い知らされた気がする。

「女らしい服装」「親に向かって」といった言葉が台詞の中に出てくるのは、韓国がいまだに上下関係を重んじるタテ社会であることを示しているが、立場や年齢だけでなく、成績や年収によっても上下関係をつけるようだ。本作品では強さによって上下関係をつけているように感じられた。
 こういったことと、韓国が世界最速で少子化が進んでいることとは、無関係ではない。本作品の世界観には、タテ社会の住みにくさを嘆きつつも、タテ社会の精神性から抜け出せないでいるジレンマがある。韓国社会の悲劇の本質が透けて見えるようだ。

 続編も観る予定。