保守を自任する私が、あえてフランスの大統領に選出されたオランドを支持すること対して、異論があることは承知している。しかし、私からすれば、増税一本やりの緊縮財政派であるか、それとも財政出動派による強靭化国家を目指すかの違いこそが、一番の争点なのである。今の民主党政権は、財務省の言いなりで、野田佳彦首相などは、緊縮財政派の代名詞になっている。それだけに、保守のサルコジが敗北したとしても、それが保守の自民党に打撃を与えることなど考えられない。フランス社会党は、過去においても何度か政権を担当した実績があるし、1988年から1995年までは、ミッテランが大統領であった。コアビタシオン(保革共存)のときに首相になったジョスパンは、社会民主主義の定義について「制度というよりも、社会を規制し、市場経済を人々に役立てる手段の一つ」と述べたのである。さらに、ジョスパンは雇用を最優先に掲げて、ワーク・シェアリングを実現させるために、法定労働時間を週39時間から、35時間に短縮する法案を成立させた。バラマキで、国民の歓心を得ようとするのとは大違いだ。ソ連の人権侵害に対しても痛烈に批判をした。中国共産党と友党関係だと公言する民主党とは、天と地ほどの違いがある。フランス社会党は、ドイツ社会民主党、イギリス労働党とともに、社会主義インターナショナルに加盟しており、日本のサヨクとは、思想も肌合いもまったく異なるのである。
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