副総理の岡田克也がいい加減なこと言ったわけではないだろう。「小沢氏は衆議院の採決の時には賛成してもらえる」と見通しを述べたことは、私にとっては予想された展開であった。母校の東京大学で講演して、嘘を吐いたとすれば、自分で墓穴を掘ったことになる。昔の自民党と同じで、裏で手を替え品を替えて説得に努め、相手が陥落寸前になったので、ちょっばかり口が滑ったのだろう。国民のうかがい知れないところで、つばぜり合いが演じられているのだ。思い起こせば細川護煕が政権の座を投げ出したのは、小沢が電光石火の早業で「国民福祉税」導入を画策したために、与党内が割れたからではないか。小沢が根っからの反対論者ではあるわけがなく、政治家としての自己保身のために、難癖を付けているだけだ。それを見透かし、さらには水面下での可能性を探ってみて、今回の岡田の発言になったのだろう。いくら人が好くても、国民は騙されたと思うに違いない。とくに、断固反対の人たちからすれば、小沢グループは明らかに敵前逃亡である。前回の総選挙では「国民に負担を強いなくても大丈夫」と力説していたのに、平気で居直る現民主党執行部。これに対して批判的な言動を繰り返してきた小沢グループも、権力維持では一緒なのだから、あくまでもポーズでしかないのだ。どっちもどっちなのであり、どこまで国民を馬鹿にすれば気がすむのだろう。
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