検察役の指定弁護士が小沢一郎を控訴すると分かっていたから、民主党はその前に党員資格を回復させたのだろう。あまりにもやることが姑息だ。だから民主党には政権を任せられないのである。今日、控訴が決定したことで、またまた雲行きが変わってきた。民主党内の小沢グループにすれば、ようやく晴れになったと思っていたのに、またまた雷鳴が轟いて、竜巻に襲われた思いではなかろうか。小沢と一緒に吹き飛ばされるかどうかは、それぞれが決めるしかない。だらしないのは野田佳彦首相を始めとした、民主党の現執行部である。ここぞとばかり勝負に出て、小沢に離党を勧告し、政界再編の主導権を握ればいいのに。その度胸がないのだから、嘆かわしい限りだ。政治家に求められるメチエ(職業的技巧)を三つ挙げたのは橋川文三であった。「責任感」「事態に対するさめた情熱」「均衡感覚」である。このうちもっとも大事なのは「事態に対するさめた情熱」ではないか。国家国民のために、自分の政治生命が絶たれても、やるべきことはやるとの信念が、あるかどうかではないか。小沢ごときに振り回されて、オロオロしているようでは心もとない。もはや決断のときであり、解散総選挙しかないのだ。野田内閣は政権末期の様相を呈しており、乾坤一擲の勝負ができずに野垂れ死にするようでは、もはや解党するしかないだろう。
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