木の下一面、だいだい色に染まってた。
近づいてみると、咲き落ちた金木犀の花。
近づいてみると、咲き落ちた金木犀の花。
雨のせいか、もうすっかり香りは去ってしまっている。
見上げると大きな木から
ひとつ、またひとつ
ぽろん、ぽろんと降ってくる。
ここは時々訪れる場所なのに、こんなに立派な金木犀が立っていることにまるで気付かずにいた。
ふしぎだな。
わたし、花の頃に来たことがなかったんだな。
あの香りに気付かない訳がないもの。
落ちた花たちは
まるで星屑のよう。
つぎの花の時期には
忘れずにここへ来よう。