眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

モーニング・メモ(夢にまつわる)

2020-01-09 22:05:00 | 夢追い
 突き刺さるようなフレーズが飛び込んでくる。まるで今の自分のためにあるような。どうしても覚えておきたい。触れたい。とどめたい。保存したい。重々しく体は動かない。

これは夢だ! 誠残念。

 だが、夢の中で夢という自覚がある場合、持ち帰るチャンスはまだある。その時、二つの世界はそう遠くない。記憶を現実の領域に紐づけることを意識してみること。
 上手く行けば、目覚めた瞬間にメモをとることができる。
 そうして夢から持ち帰った「言葉」が本当に自分にとって価値あるものかどうか、すぐにはわからない。雪山の天女現象であることも多い。
 夢の中のときめきが醒めてしまっても、失望する必要はない。もしも夢と現実の間に橋を架けることに成功したなら、既にそれ自体が興味深い体験ではないか。
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新着レストラン

2020-01-09 10:43:00 | 短い話、短い歌
 タブレットの中を深くのぞき込めば、表面がとろけそうな親子丼が香りながら訴えかけてきた。ちょうどそろそろ親子丼が食べたいと思っていた頃だった。最後に親子丼を食べたのはいつだろうか。先月だろうか。いや、もっと前だ! クリスマスよりも冬よりもずっとずっと前だぞ! よし、じゃあ決まりだ。指先がふわふわの卵の上に……。
「注目の天とじ丼が登場!」
 突然、新しいメニューが割り込んできた。せっかくの決断がリセットされてしまう。
「いま注目の冷やしうどんが登場!」
「もちもち、ゆでたて、新食感!」
「今考えたばかりのアイデアで勝負!」
「ライブ感覚の新かき揚げ丼が新登場!」
「あなたへのおすすめ丼!」
 周りを見渡せばテーブルに着いて熟考している人の姿が目に付く。
「たったいま注目の親戚丼が登場!」
 なんてメニューの回転が速い店だ!



親子丼
他人丼ぼく
インドカレー
自分も食えよ
肉そばあるで

(折句「お大事に」短歌)
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