「パンがない?」
「申し訳ございません」
「え、え、え、まだこんなあるのに、
このシチューの底どうしろと?
どうやって救出しろと」
「ご飯ならございます」
「いらない」
「シチューのおかわりお持ちしましょうか?」
「はあ? うそでしょう」
「申し訳ございません」
「パンじゃなきゃ。待つよ」
「恐れ入ります。パンは明日にならなければ」
ワニがドーナッツ!!
「筆はある?」
「筆ですか」
「もう筆でいいわ」
「逆に筆でどうされるんです?」
「逆にとは何が?」
「筆はありませんけど」
「じゃあどうすればいいの?」
「はあ? 逆にどうしろってのさー!」
ワニがドーナッツ!!
「とうとう本性を現したな」
「逆に何なんすかー。あなたは」
「お前のとこがパンがないのが悪いんだろう」
「あなたシチューの底をごちゃごちゃ何なんすか」
「何だお前、シチューの底を馬鹿にしてるのか!」
「じゃあもう支配人呼びます?」
「呼べ呼べ」
「今日支配人いませんけどー」
ワニがドーナッツ!!
「逆に考えてから言えよ」
「どうさせていただいたら納得を?」
「帰らせてもうらうよ。私がな!」
「ありがたーす!」
「逆にありがとう」
「あっ、出口向こうっす」
「わかってる! 逆に帰るんだよ」
ワニがドーナッツ!!