無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

じんじん

2013-06-27 | 2015以前の映画評


「じんじん」 山田大樹監督 ○ ☆☆ 無煙映画大賞候補

 「ガマの油売り」の大道芸役者の銀三郎(大地康雄)は気楽な一人暮らしをしています。子どもの頃一時期住んでいた北海道の地に幼馴染がいて田植えの季節に手伝いに行きました。絵本で町おこしをしている剣淵町にはちょうど東京から高校生が農業体験で来ていました。そこで銀三郎は6歳の時に別れた娘と出会うのでした。
 大地康雄がずっとあたためていた作品が地域の手で映画化されました。大地演ずる銀三郎はどう見ても「寅さん」なのですが、考えてみれば今の観客は同時代に渥美清を見ている人は少なくなってきているのでしょうから、第2の寅さんが出てきてもいいころですね。寅さんをまねているようでもありますが、嫌みがなく大地康雄としての心を揺さぶる演技(☆)がさえていたのではないでしょうか。
 北海道の自然の美しさや剣淵町の町おこしを背景に、父と娘の関係、絵本のすばらしさで笑わせたりほろりとさせたりします。後半の顛末も単純な決着にはならず、脚本(☆)もよくできていました。また、もう一つの舞台が震災から復興しつつある松島なので製作者の震災に対する思いも伝わってきます。
 ちなみにタイトルの「じんじん」というのは「感動が脈打つように心身に染み入る様のこと」です。
 ちょうど札幌にいる時に先行上映で観ることができ、思い出の作品となりました。
 タバコはなし。無煙です。大地康雄に無煙映画大賞主演男優賞か?

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