
「手紙は憶えている」 PG12 アトム エゴヤン監督 カナダ独 ◯
いわゆるナチの残党狩りを描いた作品の範疇ですが、いくつかひねりがあり予想を超えたラストが衝撃です。
ゼヴ(クリストファー プラナー)は妻が亡くなったことも忘れてしまうほど認知症が進んでいます。老人施設で知り合ったマックスと二人の家族をアウシュビッツで殺したナチの生き残りを成敗する計画を立て実行します。すぐに忘れてしまうセヴのためにすべての行動はマックスが手紙に書いて指示してくれました。その手紙を手に施設を抜け出したセヴは一人ずつ追い詰めていきます。果たしてセヴの復讐は叶うのでしょうか・・・。
90歳になってもナチを追う執念が凄まじいです。日本のように戦争責任が曖昧なまま70年を過ごしている日本人とは全く違う精神性が描かれています。先日ナチの軍服にそっくりな衣装が世界的な大問題になっていましたが、関係者には是非この作品を見て歴史の勉強をしてほしいものです。
一筋縄ではいかない展開で緊張感がある物語な上に出演者がそれぞれ好演をしていて重厚なサスペンスとなりました。
タバコは、なし。無煙です。山のような吸い殻がはいった灰皿とビールの空き缶でそこに住む人の生活レベルを表現していました。