
「標的の島 風(かじ)かたか」 三上智恵監督 ◯
沖縄の反基地闘争を常に身体を張って取材している監督の最新作です。
タイトルの「風かたか」とは、2016年夏に起きた米軍属女性暴行殺人事件の追悼集会で、稲嶺名護市長が「私たちは命を救う風かたかになれなかった。」と嘆きました。風かたかとは「風よけ」「防波堤」のことです。
8割の県民が反対する中、辺野古の新基地建設は住民の命がけの抵抗を全国から動員された機動隊によって排除しながら進められています。高江ではヘリパッド建設が進み、宮古島、石垣島などではミサイル基地と自衛隊配備が着々と進んでいる厳しい現実を描きます。一方、民俗学者でもある監督らしいさまざまな伝統文化も披露されています。
冒頭の集会で古謝美佐子が切々と歌う「童神」が泣かせます。
毎年沖縄の座り込みに参加していますが、平和センターの山城博治さんが重篤な病を押して運動を続けていることは知りませんでした。そういう人を何ヶ月も勾留している司法に三権分立はないですね。
タバコは、なし。無煙です。