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「追憶」 降旗康男監督 ☓☓
降旗監督と名カメラマン(と言われている)木村大作が9年ぶりに組んだ作品という宣伝文句です。
子供時代に親に捨てられた3人の子どもたちがある事件をきっかけにバラバラになり、大人になって再会した時は、殺人事件の被害者、刑事、容疑者のひとり、となっていたというオリジナルストーリーです。富山県の海辺で東京のガラス屋の店主(柄本祐)が刺殺されて発見されます。刑事の篤(岡田准一)が担当の一人になります。実は前日にひょんなところで二人は出会っていたのです。「富山の知り合いに金策に行った」と家族は証言し、「知り合い」が誰なのかが捜査の焦点となるのでした。篤は子供の頃の秘密を分け合った啓太(小栗旬)を問い詰めるのですが・・・。
冒頭から「木村らしい」映像とちょっと大げさな千住明の音楽で期待度をあげますが、終わってみれば「これでいいの?」という消化不良の思いが残ります。安藤サクラが3人の「聖母」的存在だったにしても、20年経ってほとんど老けていないのは不自然です。また、「過去の事件の精算」はあれでいいのでしょうか。
シニア層には懐かしい映像で受けるかもしれませんが、他の世代には無理かな。
タバコは、小栗旬が度々喫煙(☓)、また刑事が署内で喫煙しているのは今の時代ありえません。作品全体が復古調なのは許せますが、喫煙の規制まで昭和なのは理解できません。(☓)