「カピウとアパッポ〜アイヌの姉妹の物語〜」 佐藤隆之監督 ☓☓☓☓☓・・・
北海道阿寒湖のアイヌコタンで生まれた姉妹が、大人になって久しぶりに共演するライブまでのドキュメンタリー映画です。
姉は東京の高尾で、妹は阿寒湖アイヌコタンでそれぞれ別の形でアイヌの唄や伝承音楽を仕事にしていました。原発事故で一時北海道に子ども3人と避難した姉を迎え、周囲の要望もあって、姉妹でのライブが計画されます。しかし、それぞれ生きてきた道が違うし、アイヌの音楽に対する思いも微妙に異なるのでさまざまな葛藤が生まれるのでした。
絶滅が危惧されるアイヌ語を唄として伝承することは大切なことで、姉妹それぞれの方法はどちらもいいのではないかと思います。ただ、ライブの場面以外はホームビデオを見せられているような退屈さが全編に感じられました。
タバコは、喫煙しない登場人物がほとんどいないというモクモク状態、常に誰かが喫煙している作品でした。特にプロデューサーとして紹介されている男性は常に喫煙していました。唄を仕事にしている姉妹も喫煙者で小さい子どもがいるのに平気で喫煙していました。アメリカがかつてアルコールとタバコで先住民族を駆逐した実例がありますが、アイヌ民族も和人のタバコで自ら将来を傷つけているのが哀しいです。
放射能を避けて避難している車の中で、喫煙する場面には、「放射能も怖いけど車内の喫煙はガス室と同じくらい有毒です。」と教えてあげたい。