
「幼子われらに生まれ」 三島有紀子監督 ☓☓☓
重松清原作の再婚した夫婦と子どもの関係を父親の視点で捉えた家族のドラマです。
サラリーマンの田中(浅野忠信)は再婚した妻(田中麗奈)が妊娠し、妻の連れ子との関係がギクシャクします。田中自身も妊娠を受け入れかねています。その上、仕事も倉庫係に出向させられ踏んだり蹴ったりの状況です。幸せなのは前妻との間にできた娘と年に4回過ごす時間だけでした。そんな田中に次の難題が降りかかります。娘が「本当の父親に会いたい」と訴え、前妻の再婚相手は末期がんで余命がわずかとなるのでした。あれこれ奮闘する田中なのですが・・・。
前妻(寺島しのぶ)との別れた経緯の中で、まるで夫婦別姓法案に反対している保守系の議員が言っているようなセリフを言う田中には全く共感できず、(職場で旧姓を使うな、家庭に入れ、子どもを生め、など)専業主婦の妻にも共感できず、感情移入がなかなかできない作品でした。どちらかというと、どうしょうもない前夫(宮藤官九郎)の「妻や子どもは煩わしいだけ」なんていう投げやりな言葉に結構説得力がありました。わずらわしい関係を続けることが生きることなのでしょうか。
タバコは、大変残念なことに喫煙場面が多い作品でした。田中の職場の上司(☓)寺島しのぶ(☓)宮藤官九郎(☓)そして行き詰ったときに折角禁煙していたのに知らない人から一本もらって田中がじっくり喫煙する、という昭和の古典的喫煙場面(☓)もありました。脚本が荒井晴彦でタバコ大好きな人なので仕方がないかもしれませんが、宮藤も浅野もひとつまちがえば救急車のお世話になる年齢ですのでくれぐれも気をつけてほしいものです。
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