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記者たち 衝撃と畏怖の真実

2019-04-07 | 2019外国語映画


「記者たち 衝撃と畏怖の真実」 ロブ ライナー監督 米 △ ☆

 アメリカがイラク戦争を始めるときの「嘘」情報に負けず、「真実」を報道し続けた新聞社の記者の姿を描きました。
 911のあとアメリカは奇妙な連帯感がはびこり愛国的な言動がもてはやされ、それ以外の冷静な報道などは誰も読もうともしなくなっていました。大統領側近の言うことはすべてが真実だとだれも疑うこともなく、疑うものは相手にもされませんでした。地方紙の元締めであるナイト・リッダー社のみが「本当に大量破壊兵器はあるのか?」と疑って記事を書いていましたが、それも掲載されなくなるのでした。そして、嘘の情報を確認されることもなくイラク攻撃が始まります。良識ある識者の予想通りの最悪の結果を招くのでした。
 タイトルの「衝撃と畏怖」はイラク攻撃の作戦名です。
 当時のフィルムを織り交ぜ大統領とその側近ラムズフェルドたちが嘘を突き通した結果は「ナンバー(数字)」が示しています。イラクの民衆とアメリカ軍兵士の犠牲者の数、落とした爆弾の数、そして究極の数字は「0」。それはイラクにあるとされた大量破壊兵器の数です。
 嘘で固められていたにもかかわらず、人々がそれを信じてしまったという恐ろしさは、どこかの国にも全く同じことが言えるのではないでしょうか。
 日本では、こういう作品は制作されないのが残念です。アメリカ映画界の勇気に対して(☆)
 タバコは、記者の周囲で数回煙が見えました。(△)


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