
「ウィーアーリトルゾンビーズ」 PG12 長久允監督 ☓! ☆
両親が死んでも泣けない子ども4人が音楽を通して成長していく物語をゲームの場面や奇抜なファッションの演出で独特な映像に仕上げました。
ヒカリ(二宮慶多)は交通事故で両親が一度に死んでしまいましたが、不思議なことに泣けませんでした。火葬場で事情は違うものの同じように両親を一度になくした3人の同年齢の子どもたちイシ(水野哲志)タケムラ(奥村門土)イクコ(中島セナ)と出会います。「まるでゾンビのよう」な4人は誰もいなくなった家を巡ったあとでゴミの処理場に落ち着きます。捨てられている楽器などで「LITTRE ZOMBIEZ」というバンドを結成し、配信すると大きな反響を呼びメジャーデビューとなるのですが・・・。
主役の4人が個性的でそれぞれ魅力があります。脇役の大人たちにも個性派俳優を揃えていて子役たちに負けていません。特に池松壮亮のキャラクターが「今の大人の社会のいるいる感」を見事に体現していました。カミュとかカフカとか知らない人にはちょっと理解ができないセリフがあったかもしれませんが、これを機会に文学にも親しむといいですね。ポップですが哲学的なセリフも多く脚本(長久允)の力量が伺えます。(☆)
♪ウィーアーウィーアー♪のテーマ曲が今も耳から離れません。
暴力場面があったためかPG12の制限がついてしまったのは残念です。
タバコは、音楽業界人役の佐野史郎と問題のある父親が喫煙しました。(☓)しかし、イクコが筒状のタバコのようなものを口にくわえているときにヒカリから「吸うの?」と問われたとき「紙を巻いて深呼吸しているだけ。深呼吸すると気分が落ち着くの。こんな簡単なことのために大人は(タバコというものに)お金を使ってるんだよね。(バカみたい)」という名台詞がありました。(!)