「幸福路のチー」 ソン シンイン監督 台湾 ☓☓
東京アニメアワードフェスティバル2018長編グランプリ、第55回電影金馬奨最優秀アニメーション映画賞受賞作です。
1975年に生まれ、台北郊外の幸福路で子ども時代を過ごし、猛勉強してアメリカへ行き職と家族を得た女性主人公チーが祖母の死をきっかけに故郷に帰り、自身と向き合う姿を縦軸に、横軸には台湾の激変する時代背景を描きました。
祖母が亡くなったという連絡を受け、チー(声 ルイ グンメイ)は久しぶりに子ども時代を過ごした故郷に帰ります。貧しいながらも両親の愛情を受け近所の友だちと共にいろいろ小さな事件はあるものの幸せな時を過ごしていた思い出が蘇ります。実は現在のチーはアメリカ人の夫とうまくいってなくて離婚も考えていたのです。悩んでいるチーの前にこれまでと同じように死んだはずの祖母が現れ励ましてくれるのですが・・・。
「子どもの頃思い描いていた自分になっているか?」という問いかけはいつの時代どんなところで暮していても普遍的な問でしょう。すべてを受け入れてくれる祖母の存在が貴重です。
また、祖母が高地民族アミの人、親友がアメリカ人とのハーフという多様な人々を登場させ、台湾という国の激動の歴史と現実を織り交ぜたことで単なる女性の成長譚ではない物語になりました。
タバコは祖母がビンロウタバコを喫煙し(野蛮と言われる)(☓)、おとなになって再会したアメリカ人とのハーフの友達も喫煙(☓)しました。