無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

はちどり

2020-09-01 | 2020映画評


「はちどり」 PG12 キム ボラ監督 韓国米合作 ✗✗

1994年の韓国ソウルを舞台に思春期の少女とその家族や友だちとのさまざまな関わりを丁寧に描きました、
ソウルの団地に両親、姉、兄と住むウニ(パク ジフ)は学校ではそれほど目立たず、親友やボーイフレンドもいますがいまひとつ満たされませんでした。そんな折、漢文塾の新しい女性教師ヨンジ(キム セヒョク)は両親や学校の教師とはちがう価値観でウニを見てくれました。ところが、ウニが入院することになりその間にヨンジは塾を辞めてしまったのでした。退院後ヨンジから贈り物が届きお礼に自宅を訪れたときある事実を知るのでした。

少女から大人に成長する過程の心のゆらぎを抑えた表情でありながらも的確に表現しているウニ役のパクはこれからが期待されます。
内容としては、韓国の過程や学校での男性優位性の現実です。実際には弱い立場の妻や小さい妹にイライラをぶつけるので心が痛みますが、あまりにひどいので滑稽さも感じるほどです。それでいながら泣くほど心配もしていて憎いわけでもないのですね。
昨年日本でも話題になった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」(チョ ナムジュ著)の主人公と2年の差しかないので社会の状況はほとんど同じでしょう。日本の女性が自由で開放されているわけではありませんが、この時代の韓国よりは少しはましかな?深層では変わりませんが。
楽しい話題としては、当時の流行り「カルバン・クライン」や「ベネトン」が経済成長を象徴し、当時を懐かしく思い出させますが、ラストではその国家の発展が実は偽物だったと思わせなかなかの政治性のある作品です。
タイトルは1秒間に80回も羽ばたいて蜜を吸うハチドリの姿を懸命に生きる主人公の姿に重ねたそうです。

タバコは、塾のヨンジが喫煙者で「今度の先生タバコ吸っていたよ。」と言われます。一方、ウニも遊びに行って隠れタバコを吸ったり万引をしたりし、「クラスの不良」にリストアップされます。なお、「不良」の条件は「タバコを吸う」「万引をする」「カラオケに行く」などでした。(✗✗)
子役の前での喫煙は虐待です。子役に喫煙させるのは犯罪です。


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