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映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ぶあいそうな手紙

2020-09-24 | 2020映画評


「ぶあいそうな手紙」 アナ ルイーザ アゼヴェード監督 ブラジル ✗!

 視力を失いつつある78歳のひとり暮らしの男性がひょんなことから出会った23歳の女性に手紙を代読してもらい返事を代筆してもらうようになったことから始まる人生肯定物語です。
エルネストはブラジル南部の街ポルトアレグレでひとり暮らしをしていますが、息子は心配し同居を勧めますが頑なに断っています。しかし、困ったことに故郷ウルグアイから初恋の彼女が夫を亡くした悲しみを伝えている手紙を読むことができません。そんな折ビアという犬の散歩をバイトにしている女性と出会い手紙を読んでもらうことにします。ちょっとした悪さもするビアですが、エルネストの誠実な対応を体験することでビアの行動も変わっていきます。ビアの助言で書いた初恋の女性への心温まる手紙が人生を変えるのでした。

ブラジルはポルトガル語、ウルグアイはスペイン語で似ていますが微妙に違うらしいです。パンフの解説によれば、冒頭で父と息子のやり取りでは父親はスペイン語で息子はポルトガル語だったようです。また、地元の家政婦はスペイン語は多少わかるけれど手書きの文字はよくわからないようでした。また、エルネストの隣に住むハビエルはアルゼンチン人で「二度とブエノスアイレスには戻らない。」が口癖です。物語の舞台となったブラジル南部という場所がキーワードでウルグアイもチリもすぐとなりですが政治的には過去に軍事政権が権力を握っていた時代もあり避難してきた人々が暮らしている街なのです。
言語が関係性を伝えるような作品では、字幕の文字体を変えるとかカッコを使うとかして日本人の観客にわかりやすくしてもらえると良かったと思います。せっかく地元ブラジルよりもはやく一般公開できてサンバと暴力以外のブラジルの姿を紹介できたのですから配給会社がもっと丁寧な対応をするともっといい作品に仕上がったのではないでしょうか。紹介される作品が少ない国の場合特に英語圏以外では字幕はとても重要です。

タバコは、隣人のハビエルが葉巻の喫煙者で、妻から嫌われ自宅は禁煙のため、エルネストのチェスの相手をする条件に喫煙可を要求しています。映画の内容に関わるので詳しくは書けませんが、やはり受動喫煙の被害は大きいことが間接的ながら分かる人にはわかります。(✗)


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