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「海のふた」 豊島圭介監督 ☓ PP自販機
ミュージシャン原マスミの名曲「海のふた」に触発されて小説家のよしもとばななが新聞に連載した小説が原作です。ばななが幼いころ夏を過ごした伊豆の土肥が舞台です。
故郷の西伊豆の町に帰ってきたまり(菊池亜希子)は、こだわりのかき氷店をはじめます。ちょうどその頃母親の友人の訳ありの娘はじめ(三根梓)をしばらく預かることになり、ふたりは自然といっしょにかき氷屋をするようになります。メニューには「糖蜜」、「みかん水」、「エスプレッソ」しかありません。
ふたりの女性が普通に自分の道を探していく過程を淡々と描いています。それはいいのですが致命的な欠陥として、主役でもあるかき氷が美味しそうに映りません。行列ができるかき氷屋が協力しているようですが、これで500円では客が入るわけがない、というシロモノでした。ラストで子どもたちが食べていましたが、どうして子どもが500円も持って食べに来ているのか心配してしまいました。ハーフサイズで300円にすればいいのに・・・。
タバコは、まりの幼なじみのおさむくんが何回か喫煙しました。海岸でも平気で喫煙していましたが、おしゃれなビーチは禁煙が当たり前です。土肥が寂れているとしたらタバコ臭いからかもしれませんね。また、夜逃げをした酒屋前でのやりとりでタバコの自販機が煌々と輝いて映っていました。