「フード・インク ポストコロナ」 ロバート ケナー、メリッサ ロブレド監督 米 ◯
2009年制作で大ヒットした食を扱うドキュメンタリー映画「フード・インク」の続編です。コロナパンデミック中に露見されたアメリカのフードシステムの脆弱性をさまざまな人々へのインタビューなどで明らかにしていきます。
巨大食品企業による市場の独占は貧富の差を拡大しました。15ドルほどの時給で生活も成り立たないような労働者や、南米などからの半奴隷的な移民労働者、彼らからの搾取抜きにはいわゆるファストフードは成り立たちません。その上添加物まみれの超加工品をこれでもかと食べさせられる子どもたちは肥満や糖尿病といった健康リスクを抱えています。
一方、持続可能な農業を考える農民も登場しファーマーズマーケットなどで企業を通さない生産流通システムも広がっています。政治家や活動家の姿も紹介されます。
枠の中で身動きもできず、食べて寝るしかできない豚の姿には同情します。大企業のロビイストたちが政治家を都合のいいように動かし政治家は貧しい市民からの血税を大企業のために使い、儲けるのは資本家と大企業の役員という構造そのものが「資本主義」への懐疑を強くしています。
タバコは、なし。無煙です。