「市民捜査官ドッキ」 パク ヨンジュ監督 韓国 ✗
振り込め詐欺の被害者が電話をかけてきた張本人の掛け子から助けを求められ極悪組織と戦う姿を描きました。2016年に実際におきた事件がモチーフです。
経営していたクリーニング店が全焼し途方に暮れていたドッキ(ラ ミラン)のもとに銀行のソン代理と名乗る男から融資紹介の電話があります。藁にも縋る思いで要求された手数料を振り込みますが実はすべて詐欺でした。住むところもなくし娘二人と職場の倉庫で生活していましたが、ソン代理から詐欺集団から救出してほしいと電話がかかってきます。警察に行ってもなかなか動いてもらえず職場の同僚の協力を得てなんとアジトがある中国の青島へ乗り込んでいくのでした。
日本でも高校生がミャンマーの詐欺集団から救出された、というニュースがあったばかりで他人事とは思えない内容です。
深刻な事件ですがコミカルな展開もあり娯楽性も高い作品です。振り込め詐欺を扱った最近の作品には「ビーキーパー」(米)がありますが、韓国では「声 姿なき犯罪者」(2021)もありました。それだけ社会の大きな問題になっているのでしょう。日本ではまだ映画化されていないのがちょっと残念です。被害の予防になるだけでなく加害者にならないような作品を期待したいです。
気になったのは犯人逮捕に懸賞金がかかっていたのにそれがまだ支払われていない、というラストのテロップです。一番の詐欺師って、もしかして警察なの?
ラストといえば、エンドロールがおしゃれでした。
タバコは、犯罪集団のメンバーが喫煙していました。マイナスイメージです。