無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

カルテット! 人生のオペラハウス

2013-06-12 | 2015以前の映画評


「カルテット! 人生のオペラハウス」 ダスティン ホフマン監督 英 ×××

 元音楽関係者が多く入居している老人ホームに新しくやってきたジーン(マギー スミス)に、すでに入居していた元夫は動揺します。ジーンには裏切られた思い出があったのです。一方、ホームは経済的に存続が危うく、資金集めのためのイベント準備が進んでいました。かつては一世を風靡した様々なジャンルの音楽家たちは、老いてはいるものの楽しみながらレッスンを重ねていました。そして、気難しいジーンにもカルテット(四重唱)の誘いがかかるのでした。
 カルテットの4人の俳優以外は本物の音楽家たちで全編を通じて心地よい名曲が流れています。
いくつになっても目的を持って好きなことを続けることができるのは幸せなことです。
 タバコは、二人の男性がベランダで喫煙しているところを女医に、「すぐ消しなさい。」と言われますが、それに対しそばにいた男性入居者のウィルフ(ビリー コノリー)から「78歳と82歳だからもう好きにさせなさい。」と女医が戒められます(×)。また、実は注意した女医も隠れて喫煙したりします。それを見たウィルフがニヤリとする場面がありました(××)。なんともタバコ会社が喜びそうな展開です。いくつになっても禁煙の夢をあきらめないでほしいものです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奇跡のリンゴ

2013-06-10 | 2015以前の映画評


「奇跡のリンゴ」 中村義洋監督 ××× PPエコー、ハイライト

 無農薬でリンゴを育てることに成功した青森県弘前市在住の木村秋則さんの物語です。
 子どもの頃から機械を分解することが好きな変人の秋則(阿部サダヲ)は上京して就職したものの、台風で実家のリンゴが全滅し、故郷に戻ります。木村美栄子(菅野美穂)のもとに婿入りしリンゴ農家となります。ところが妻が農薬散布をするたびに体調を崩してしまいます。それがきっかけで無農薬栽培に取り組みますが失敗の連続で貧乏暮らしとなるのでした。諦めかけた秋則を妻や娘たちが励ますのですが・・・。 
 「神の領域」「絶対不可能」と言われていたことを成し遂げた木村さんの努力は尊敬に値します。失敗続きの前半に比べ、土作りに気が付いてからがあっけなく成功してしまいます。そこを丹念に描いてこそ価値があります。また、木になっているリンゴの姿がないのは致命的欠陥です。
 タバコは農薬賛成派の面々が喫煙(×)。「無農薬でやってみよう」という集まりの若手農業者の面々も喫煙(××)。中村監督の作品としてはタバコ露出が異常に多く大変残念でした。農薬もタバコも同じくらい有害です。PPとしては山崎勉のそばにはいつもエコーが置いてありました。主役級が喫煙しなかったことは評価できますが、その他大勢が喫煙しているので観終わった後もリンゴがタバコ臭く感じられました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グランド・マスター

2013-06-04 | 2015以前の映画評


「グランド・マスター」  ウォン カーウァイ監督 香港中国 ×××

 1930年から1950年代を舞台に「中国武術」の宗師たちの闘いを描きました。南の流派と北の流派の統一、そして各流派の宗師(グランドマスター)の中で誰が一番なのかを決めます。南からは葉門イップマン(トニー レオン)、北からは父親を殺されて娘のルオメイ(チャン ツィイー)が仇討で名乗り出ます。後継者争いと仇討、その上抗日運動まで起きて宗師の中には日本の手下になる者も現れます。歴史に翻弄される「中国武術」ですが、のちにイップマンの弟子としてあのブルース リーが登場することになるのでした。
 音楽がおおげさ、アクション各流派の違いが素人にわかるはずもなく、その上テンポが早すぎて何がなんだかよくわからないうちに決着がついています。結局、何を伝えたかったのかわかりませんでした。チャン ツイイーは相変わらず魅力的でしたがそろそろ限界かな。
 タバコ露出がひどい作品でした。技を究めようとする者がタバコに溺れていてどうするのでしょうか。主役のトニー レオンがたびたび喫煙(×)。ルオメイの弟子のひとりで猿を肩に連れている男も喫煙(×)、動物虐待です。妓楼の女性たちも喫煙(×)。チャン ツイイーはタバコは吸いませんでしたが、アヘンのパイプを吸っていました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リアル 完全なる首長竜の日

2013-06-03 | 2015以前の映画評


「リアル 完全なる首長竜の日」 黒沢清監督 ○

 1年前自殺未遂を起こし、こん睡状態で眠ったままの恋人とセンシングという先進技術で意識をつなげ、自殺の本当の理由を探り、目覚めさせようとする物語です。浩市(佐藤健)と淳美(綾瀬はるか)は小学生の時小さな島で過ごしました。浩市の家族は島のリゾート開発の仕事をする父に連れられてやってきたのでした。ふたりの意識をつなぐのは「首長竜の絵」です。ふたりの意識をセンシングすると現れる謎の少年、廃墟となったリゾート跡地。はたしてふたりは現実の世界で「リアル」な関係をとりもどすことができるのでしょうか。
 心理サスペンス、恋愛ドラマ、廃墟ホラー、恐竜物とかなり欲張った内容です。終盤の首長竜のエピソードはなくてもよかったのではないかと思いますが、この作品の見どころが首長竜の「リアルさ」でもあり、判断の難しい所です。
 タバコはなし。無煙です。ただし、出版社の場面で社員のオダギリジョーの近くにはいつも灰皿がありました。吸殻がたくさん入っているとそれだけでも残留タバコ煙の被害があります。灰皿を置くのはやめましょう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はじまりのみち

2013-06-03 | 2015以前の映画評


「はじまりのみち」 原恵一監督 ○ ☆☆

 「木下恵介生誕100年記念」映画です。戦争末期に病身の母親(田中裕子)をリヤカーに乗せて疎開させた時のことを描いています。木下(加瀬亮)は公開された「陸軍」が軍情報局から「女々しい」と非難され、「もう監督を辞めよう」と故郷の浜松へ帰りました。しかし、空襲は激しくなり、より山奥へと疎開することにしました。母親をリヤカーに乗せ、兄(ユースケ サンタマリア)と荷物を運ぶ「便利屋」の青年(濱田岳)とで出発します。雨も降り峠越えは難儀しますが、なんとか無事到着することができました。そして母親から「夢をかなえなさい。」と励まされ、もういちど監督として歩み始めるのでした。
 見どころは「便利屋」とのやりとりです。戦争が終わったら「カレーライスを食べたい」と、食べるしぐさをする濱田の演技は見事です。また、「便利屋」は木下が撮った作品とは知らず、「映画『陸軍』を見て泣いた。」と語る場面も泣かせます(☆)。「陸軍」のラストで母親役の田中絹代が出征の行進をする息子を追っていく姿が感動的でした(☆)。この場面を映すためにこの映画を作ったとでもいえるのではないでしょうか。
 木下の作品の名場面がいくつも紹介されますが、「新・喜びも悲しみも幾年月」でやはり母親役の大原麗子が海上保安庁の職員となった息子に「戦争に行く船じゃなくてよかった。」というセリフがラストのセリフとなり木下の思いを伝えました。
 タバコは本編上では無煙でした(○)。ただ、木下作品を紹介する中の「香華」という作品でキセルをブハーと吹かす場面がありました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012年度日本禁煙学会 無煙映画大賞授賞式

2013-06-02 | 2012年度無煙映画大賞受賞作品


全員の集合写真は、左から日本禁煙学会理事長作田学、森谷雄アットムービー代表取締役(三島有紀子監督代理)、斉藤玲子監督、津谷静子総括指揮、木村真一郎監督、長谷川三郎監督、見上喜美江無煙映画大賞審査委員長

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする