無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

町田くんの世界

2019-06-14 | 2019日本語映画


「町田くんの世界」 石井裕也監督 △ ☆ ワーナーブラザーズ

 安藤ゆき原作の少女漫画を実写映画化しました。
 町田くん(細田佳央太 ほそだかなた)は、運動も勉強も大したことはなかったものの、人を信頼する、困った人をすぐに助けるなど周囲の人たちに尽くすという才能がありました。そんな町田くんがあるきっかけで猪原さん(関水渚)に恋をしてしまいます。奇妙な感じが「恋」というものだとはわからない町田くんですが、父親から「わからないことから目をそらせてはいけない。」と言われていたこともあり、「恋」を追求するのでしたが・・・。
 主役の二人は全くの新人らしいですが、周囲のクラスメートたちが前田敦子、岩田剛典、高畑充希などベテランが演じ、脇をしっかり固めています。彼らを見ていると30歳ちかい大人が高校生役を演じるのも安心感があってそれはそれで見応えがあることに気が付かされました。それでこそ俳優ですかね。
 社会への警鐘ともなるうんちくのある言葉が感動的でした。(☆)
 タバコは、雑誌記者役の池松壮亮がカフェでパソコンに向かっているときに横の灰皿にタバコが煙っているのが映っていましたが、喫煙シーンはなかったので△です。
 編集長役の佐藤浩市が「ちょっとつきあえよ。」と池松を屋上へ誘いそこでミントを口にする演出が卓越でした。(拍手!)


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貞子

2019-06-08 | 2019日本語映画


「貞子」 中田秀夫監督 ○ 配給 KADOKAWA
 
 Jホラーの金字塔「リング」の原作鈴木光司の続編とも言える小説「タイド」を、同じく映画「リング」の監督がデジタル時代の「貞子」を撮りました。
 心理カウンセラーの茉優(池田エライザ)は警察に保護された少女の担当になります。名前も過去も全く話すことができない少女でしたが、少女の周囲では不可解なことが次々起きるようになります。一方、茉優のたった1人の肉親である弟のユーチューバーの和真(清水尋也)は再生回数を稼ぐため立入禁止となっている火事の現場へ潜入します。実はそこは少女が住んでいた部屋だったのです。その後和真は行方不明となり和真の上司石田(塚本高史)とともに茉優は和真の捜索を始めるのですが・・・。
 「リング」のあの井戸はやっぱり怖いです。怖いだけではなく今の社会の問題となっている子どもの虐待が伏線となっています。
 茉優が可哀想過ぎて納得できませんが、勧善懲悪で終わらないところがホラーのホラーたる所以でしょうか。
 怪獣映画といえばいまだに「ゴジラ」ですが、Jホラーといえば「貞子」という位置づけは不変のようです。
 タバコは、なし。無煙です。


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長いお別れ

2019-06-07 | 2019日本語映画


「長いお別れ」 中野量太監督 ○ 配給アスミック・エース

 中島京子原作の認知症の父親とその家族を描いた同名小説を映画化しました。
 校長まで務めた東(山崎努)は70歳を迎え認知症が疑われる行動を取るようになりました。妻(松原智恵子)は近くにいる次女芙美(蒼井優)とアメリカに住む長女麻里(竹内結子)に今年の誕生会は必ず来るようにと連絡をします。その後、3人はそれぞれの生活に追われていきますが、年を追うごとに父親の症状は顕著になっていくのでした。
 3人の女性たちが直面している問題(恋人のこと、家族のこと、自分と夫の健康など)が客観的には結構深刻なはずなのになんとなくのほほんとしていて実感が伝わりません。特に何年もアメリカで暮らしていながら「サンキューベリーマッチ」程度の英語しか話せない長女はありえません。
 また、経済的なことが完全にスルーされていて長女はアメリカから度々帰国したり、次女は移動食堂で失敗したりしてもほとんどお金のことが話題にもならないのは現実的ではなさすぎでした。
 ラストで認知症のことを英語では「ロング・グッドバイ」と表現するというやりとりがあり、そこは勉強になりました。
 タバコは、さすがに山崎努も喫煙せず、無煙でした。
 芸術文化振興財団の補助を受けています。


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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

2019-06-06 | 2019外国語映画


「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」 マイケル ドハティ監督 米 ○ ☆☆ 東宝

 日本の「ゴジラ」をハリウッドで映画化したシリーズの2作目です。
 世界各地に「保存」されていた巨大生物たちが覇権を争って戦います。前作とちがって神話時代の世界の巨大生物が次々覚醒します。「キングギドラ」「ラドン」そしてなんと「モスラ」まで登場するのです。懐かしいことこの上なしです。
 1954年のオリジナル版への敬意あふれる場面もいくつかあり嬉しくなります。
 怪獣たちの動きが素晴らしいことは言うまでもないことですが、音楽がすばらしく「モスラ」の「ザ・ピーナッツ」が歌ったあの名曲もアレンジされて流れ感動でした。もちろん「ゴジラ」のメインテーマが盛り上げています。
 冒頭から手に汗握る場面の連続で、それもエンディングクレジットの音楽が本編同様というか映像がないので音楽に集中するので感動の連続です。そして、最後の最後に次回作を予感させる場面があります。場内が明るくなるまで席を立たないように・・・。(☆☆)
 渡辺謙、チャン ツィイーのアジアを代表する名優が人間社会の場面では活躍していました。
 タバコは、なし。無煙です。
 「応援上映」してほしい作品です。


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さよならくちびる

2019-06-05 | 2019日本語映画


「さよならくちびる」 塩田明彦監督 ☓☓☓☓☓PP 配給ギャガ

 自分が何をしたらいいのかわからず不安定な気持ちの3人の男女が音楽と仲間の存在を通して成長していくロードムービーです。
 ハル(門脇麦)はバイト先でふてくされた顔のレオ(小松菜奈)の目に「歌いたい」という気持ちを発見し、ふたりでユニットを組みます。ローディー(スカウト兼マネージャー兼アシスタント兼補助演奏など何でもする人)のシマ(成田凌)にスカウトされ、インディーズ系の業界で注目を集めます。しかしハル、レオ、シマそれぞれの気持ちが交錯し、とうとう解散ツアーとなるのでした。
 塩田監督のオリジナル脚本ですが、音楽を「あいみょん」が担当していて、ダブル主演のふたりが予想以上の歌を聞かせてくれます。微妙な存在のシマ役の成田も好演しています。
 ただ、タバコは大きな問題があります。
・いきなり門脇(所属事務所ユマニテ)、小松(所属事務所スターダストプロモーション)が喫煙し、その後も数え切れないほどの喫煙回数でした。この作品に出演しただけでタバコ指数が跳ね上がり、疾病の発生率が高くなったのではないでしょうか。急性のニコチン依存症になっているのでは?本当に二人と周囲のスタッフの健康被害が心配です。
 ・また、禁煙マークが貼ってある車内(確認はできませんでしたが、多分レンタカー?)でふたりとも喫煙。
・ライブハウスでも喫煙する客がいる場所もあり、ライブに行くと病気になりそうです。
・相変わらずライブハウスの廊下が喫煙所となっていて入れ替わりみんなが喫煙していました。
 以上を鑑みますと、明らかなタバコ会社の宣伝映画です。こういう作品に「芸術文化振興財団」の○百万円が支出されるのはいかがなものでしょう。税金でタバコの宣伝をしているようなものですね。
タバコ会社は「たばこ事業法」という悪法に守られているものの芸術家がそれでいいのでしょうか。
 唯一評価できるのは、終盤でレオがタバコを吸わないシマにタバコを渡しますが、シマはそのタバコを握りつぶしたことです。流されないところがいいですね。


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初恋 お父さん、チビがいなくなりました

2019-06-02 | 2019日本語映画


「初恋 お父さん、チビがいなくなりました」 小林聖太郎監督 ☓

 晩年を迎えた夫婦の感情のすれ違いを描きました。 
 3人の子どもを育て上げ、夫(藤竜也)は週に何回か仕事に出かける以外は将棋道場に通い、妻(倍賞千恵子)は相手にもされないそんな生活に嫌気が差してきた頃、愛猫のチビがいなくなってしまいます。必死になって探す妻を「もうどこかで死んでいる。」という夫の言葉に妻は傷つきます。それまでの鬱積と夫が妻には内緒で他の女と会っていることなどが重なり、娘(市川実日子)に「お父さんと別れようと思う」と打ち明けます。
 帰宅すると椅子に座り、妻に靴下を脱がさせ、上着は廊下に放り出し、家のことは何もしない「昭和の夫」には呆れるほかありません。さっさと放り出すべきでしょう。特に「ネコ探し」に使うお金を「元はといえば俺の金だ。」というセリフは同じ「昭和」の時代でも「戦前」のセリフです。本当に好きならそういう振る舞いをしないと相手には決して伝わりませんね。
 タバコは、相変わらずこちらも「昭和の男」で、藤竜也が将棋道場で平気で喫煙していました。(☓)この点からも別れたほうが妻の健康にもいいのではないでしょうか。
 ところで、倍賞千恵子はもっと美しい役をしてほしいです。「生活に疲れたおばさん」役ではなくもっと情熱的な役で見てみたいものです。


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愛がなんだ

2019-06-01 | 2019日本語映画


「愛がなんだ」 今泉力哉監督 ☓☓

 角田光代原作の恋愛系小説を映画化しました。
 28歳で会社員のテルコ(岸井ゆきの)はマモル(成田凌)と出会い一目惚れします。それからは何をおいてもマモル一筋で仕事も二の次になります。友達の葉子(深川麻衣)からは呆れられますが、仕事を首になりかけてもその思いは変わらないのでした。一方のマモルにとってのテルコは都合のいい女に過ぎず本当に好きなのはすみれ(江口のりこ)でした。マモルは自分の都合でテルコを呼び出してすみれに会わせテルコを混乱させるのでした。
 テルコ、マモル、すみれ、葉子、葉子のしもべナカハラ(若葉竜也)の恋模様を描いています。タイトルそのものの内容で「愛とは」「なんだ」と30歳前後の男女が愛を求め交錯する姿が、今風の脚本で描かれています。
 筒井真理子、片岡礼子の「大人」の女性ふたりの存在感が生きていました。
 タバコは、すみれ役の江口のりこが登場するたびに喫煙していました。(☓) おしゃれなレストランなどでも平気で喫煙していました。(☓) テルコがすみれを心の中で罵倒するセリフに肺が真っ黒ということばがありましたが、すみれだけでなくとなりで副流煙を吸わされていたテルコも肺がグレーにはなってしまいましたね。お気の毒です。


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