この方の書籍は初めて読む。どんな著者か全く知らない。全体的には、日本はどんどん貧乏になってきている。このままでは将来がほんとに心配だという内容で、同意できる内容だ。
それはさておき、読んでいて、おや、と思う箇所と、そうだそうだ、と思うい箇所があるので、そこをピックアップして書き留める。
まずは、おや、から。消費増税について、消費増税で不況に陥るのは間違いだそうだ。消費増税した分は国民に帰って来るから、不況にはならないという。これ、間違ってる。消費増税は、財務省は、PBの黒字化を目指して、集めた税金の大半をせっせと国庫に返している。だから消費増税は不況を呼ぶのだ。
もう一点のおや。政府は借金をそんなにするなという。インフレになると利払いが大変になり、国が回らなくなるという。これも半分は間違い。国債の半分は日銀が持っている。従って、実質の利払いは生じない。貸している半分には生じるが、利払い分などその分の通貨を発行すればそれでよいのだ。
別の本に書いてあったことだが、諸外国では、借金を返している国はないそうだ。利払いだけしているのが普通だ。日本の財務省だけが気が狂ったように、借金を返している。この方、財務省の息のかかった方かな。
そうだそうだについて、日本はインバウンド需要などに頼ることなく、内需を拡大できるはずだという。その通り、そうだそうだ。
もう一点、日本の企業経営者はだらしない。もっと儲かるところにシフトせよ。組織を変えて経営しろと。従業員をもっと働かせろ、という。これは半分そうだが、半分おやだ。私はトータルで、40年以上サラリーマンと経営者をやってきたが、従業員は、2:6:2 の法則になってる。優秀な2と普通の6、それにだめな2の従業員で成り立っている。下の2を取ってみても、その中でまた、2:6:2に分解される。つまり2割程度は、いつも社内失業がいるのだ。それを承知で経営して行かないといけない。残りの2を優秀な2へは転換できないのだ。それをわかって経営するのが経営者なのだ。これは変えようがないのである。
かつて、日本製品は品質が良くて、高いのが相場だったが、20年もデフレが続き、品質はまあまあ、そして安い国になってしまった。再び蘇らないといけないのだが。