kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

国体5

2014-10-24 | 陸上競技
火曜日、担当種目は成年のハードルのみ。

今回出場する選手との関わりも長くなります。指導している学校が初めて中国大会に出場する前の年からですから8年前くらいでしょうか。当時はまだほとんど話をしたことがない状況。何かのサポート事業に乗っかって彼の所属している福岡の大学に勉強をさせてもらいに行きました。それも1週間。長期滞在でした。そこの学校では400mHの前日本記録保持者が指導しておられどうしても行きたいと思ってお願いしました。偶然、大学時代の陸上競技部の監督さんがその大学にご栄転されていたのでそのつてでお願いすることができました。懐かしい話です。

この選手も日本のトップレベル。仕事と練習の両立をしながら競技に取り組んでいます。男子選手としては最年長。リーダーですね。この数年間思い通りの動きができずに悩んでいます。それでも前向きに練習に取り組む。考えながらやるタイプなので身体を動かす量が多いわけではありません。1本1本確認をしながら取り組んでいく。今回はその感覚を私が確認しながら進めていきました。

本人は「踏切の感覚」で悩んでいました。ここは割愛しますがタイプ的に「こちらの方がいいだろうな」と思うことがありました。試合直前なので「こちらのほうが良い」と断言せずにそれとなく触れる。トレーナーの方とも話をして「こちらの方が良いだろうな」という動きの方を選択。レース中にあれこれ悩んでも結果は出ません。思い切ってやっていくしかない。

レースは思うような結果とはなりませんでした。しかし、本人がすごく前向きにとらえていました。学生時代は100mを10秒6くらいで走っていました。今は11秒3くらいかかりそうと本人は感じていいるようでした。「来年はリレーメンバーに入るくらいの走力に戻して勝負したい」という言葉がありました。家庭もあり仕事もあり大変な時期だと思います。それでも「やり残したこと」があると感じているのでしょう。もう一度、全国の舞台で決勝に残って勝負する。そのためにこの冬は家族と相談してできることを最大限にやりたいと。

こういう姿を見ていると本当に嬉しくなります。成年選手との関わり方は非常に難しい部分があります。自分のスタイルがある選手が多いので国体期間中だけあれこれ話しても効果はないからです。しかし、今回のように何をするべきかをしっかりと考えていてその役に立てるのであれば私の存在意義はあると思っています。本人のやりたいことを確認しながら客観的な視点で見ていく。そのフィードバックをしながら選手が積み上げていく。こういうのが「理想の指導スタイル」なんだと感じています。

1週間の国体。肉体的にも精神的にも疲れました。そして、極度の体調不良に襲われる。体力的なものもあると思いますが・・・。情けない話です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする