思うことを。
前の記事。批判される可能性はあるなと思って書いていました。個人の行動に対しての記事なので。それでも意味のある行動でなければ練習する事はお互いにとって不幸だと考えています。誰も幸せにならない。そうであればやはり今後の対応に関しては考える必要があると思っています。
今の練習はこれまでやってきたことをベースに組み立てています。元々は師匠から学んだことが練習の中にある一番のエッセンスです。そこから様々なところで見聞きしてきたことを取り入れている。そのままの形で入っているのは少ないかもしれません。しかし、関西に行くようになってから自分の中で「練習に対するコンセプト」が明確になってきた部分があります。
一番最初はsndのfjk先生が「ウエイトをしない」と言われていたのがあります。400mで初めてインターハイに進んだrinaがいた時期です。うちの選手の体型を見て「sndに近い感じがする」と言っていただきました。そこからあれこれ考えることがスタート。
スプリントに関する考え方は当時からありました。が、まだ自分の中で模索し続けていた感じがあります。意味があると信じて盲目的にやっていた練習がある。宮崎に行って選手との向き合い方を学び自分がどのようなスタンスで指導をするか見つめ直す。技術的な部分というよりも「指導者として」というところが大きいですね。まーこの辺りは未だに未熟だと思っていますが。
新しい学校に赴任して。選手がほぼ集まらない状況の中でどうするかを考える。奇跡的にnaoやmichiがうちを選んでくれました。普通では考えられないのかなと。学校としては競技的知名度もない。閉鎖的な県で指導をするということの難しさを今でも強く感じています。だからこそ「自分が信じた指導」をしたいなと。そう考えて大阪へ。mtm先生の所に行って様々なことを感じました。ここがまた転換期になる。
一昨年の冬、otk高校のfnt先生のところに行く。ここでやっていることを見ながら自分の練習に落とし込めないかなと感じながら見る。そして昨年11月にrkn高校に行ってsbt先生からも色々と示してもらう。ここで今の練習スタイルになる。特別新しいことをやるのではない。これまでやってきた練習に対してアプローチの仕方を変えたり、意識する部分をより明確にするという考え方。
これまで考えていた「縦の動き」「地面に大きな力を伝える」「力を逃がさない」「力の方向を変える」という要素をより明確に練習の中に入れていく。単純に「技術練習」を増やすという気はありません。やはり体力的な要素が大きいので練習の3分の1はトレーニング。ここに「固める」という要素を取り入れているのできちんと意識して「固める」ことができる選手は股関節周りの筋群が発達してきています。
fnt先生がFacebookに「加重かけることと受けるポジションで強い体幹を持って跳ね返して伝導させる体づくりを意識しています。」とコメントを下さいました。表現の仕方は異なるかもしれませんが正に私がやりたいなと思っていることも合致する部分が多くあります。これはかなりマニアックな話になるのではないかなと思います。関西の指導者はこの手のことをしっかりと考えて「練習で何をするか」を徹底している。
今、「固める」という意識でドリル的な動きをします。大きな力を地面に加えることで反発が返ってきます。しかし、関節が緩むことで緩衝することになりもらった力が活かせなくなる。そのためには体幹を一瞬「固める」必要がある。自重でもそれができるのかもしれないのですが意図的に「負荷」をかけてそれを作り出す。走っている時の力は普通にやっていたら作れない。
fnt先生が「加重」と書かれています。負荷の掛け方の話だと思っています。その場で負荷をかけるというのではなく動きながら負荷をかける。その時にシャフトやプレートを使って負荷をかけることもあればジャンプ系で負荷をかけることもある。この負荷の掛け方は人それぞれなのかなと。単純にスクワットを120kg上げるという意味ではないと思っています。うちは軽い負荷の中で「固める」動きをします。台やBOX、ハードルなどもそうかもしれません。普通に走る中で「負荷をかける」というのではなく「予備負荷」として「準備」します。走る時に「自動化」するために走る前までに「負荷」をかけて強制的に力の出し方、固め方を覚える。
ガチガチになるという意味ではありません。接地した瞬間に「固める」だけ。それも必要な箇所だけ固める。台ジャンプなどでは「足関節」「膝関節」「腹」を締めるという話をしています。これができると自然に下半身のや体幹の筋群が強化される。それによって走る時の衝撃に耐えられる身体になる。意識しないでやっている者は身体つきが変わりません。力を逃しているので負荷はかからないのです。
力をもらうポジションが悪ければやはりきちんと跳ね返ってこない。そうなると推進力に変えることはできない。接地ポジションが重要になるのはここだと思います。走る時に「身体の真下」と言ってもできない。マーク走などをやっているところもあります。が、それは運動能力が極めて高く感覚が優れている選手にとっては有効かもしれない。そのくらいのレベルの選手になると走っていたらそれなりに速くなります。中学時代がそれにあたるのかなと。よく分からないけど走ったら速い。
それは体型が変わっていく高校では難しくなる。だからこそ「走るまで」に「身体の真下で捉える」「接地ポイントに乗る」という動作を繰り返す。更にスキップや片足台ジャンプなどを使って方向を変えていく。片足スキップが速い選手は速い。教わらなくてもできる選手がいます。それを「作り出す」ことが今やりたい指導です。
どこか一部分だけやらいいというのではない。これらを含めて全てをやっていく必要がある。13秒2の選手が12秒14と12秒17まで走れるようになった。そこだけで満足することはない。本当はもっと速くなれたのかもしれない。そう考えるときちんと指導ができる、見る目を養うというのは必須だと思っています。
うちだからできることがある。温度差はあります。それでも本気になってくれる選手がいてくれる。それに対した「よく分からないけどこういう練習をしよう」というモノは提供する気にはならない。それが責任なのかなと。だからもっと突き詰めたいなと考えている。
そう考えて今新幹線の中にいます。これまでやってきたこと、今やっていることに対してブラッシュアップできたらなと。地方で細々とやっている無名の指導者です。が、競技に対する想いはあります。しっかり自分を高める機会にしたいと思います。
でも、ラーメンは食べます。譲れません。