東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

Webマーケティング

2025-01-12 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆さん、あけましておめでとうございます!

稼プロ!事務局の田本です。

本年もよろしくお願いいたします。

年末から突然、日本中寒くなって、インフルが猛威を振るってますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は、今のところ万全の寒さ対策でなんとか耐えてます。

さて、最近、Webマーケティングとデジタルマーケティングの意味の違いを気にせずに、混同しながら口にしていたことに気づき、この周辺を調べてみました。

少々シンプルに決め打ちして、私のイメージを固めてみました。

Webマーケティング
 ⇒ホームページ、メール、SNS(Instagram、Google、X、Tiktok)のWeb上でマーケティング

デジタルマーケティング
 ⇒Webマーケティングに加えて、アプリ、MAツール(Hubspotなど)、LINE上でマーケティング

Webマーケティングは顧客獲得、デジタルマーケティングはリピータになっていただくための関係づくり、という位置づけです。

Webマーケティング、デジタルマーケティングを可能にする無料(または低価格)ツールがいろいろ登場してきており、個人でも気軽に低コストで簡単に実現できるようになりました。

ですが、それらを活かすには、自社ホームページの内容を戦略的に充実させることが大事です。

読んだ方の興味に応えるために、そして、競合を意識して上回るように、常に網羅的に最新にしなくてはなりません。それにはSEO対策がとても有効です。

製品やサービスに関して、詳細な解説や事例とともに画像や動画で惹きつけて、SNSにも動画など掲載してホームページのURLを載せて、詳細はこちら、としておきます。Q&A、ブログで、さらに関連する話題をちりばめていきます。問い合わせフォームで、知りたいことにお答えしつつ、メールのやりとりにつなげていきます。

アナログな展示会出展もWebマーケティングにつながります。
事前に出展企業ホームページをチェックしに来る人が増えるからです。

このように、様々なツールを組み合わせて、SEO対策を使って戦略的に自社の製品やサービスの強みをしっかりと伝えていくことで、お客様になっていただく道筋を作っていきます。

Webマーケティング、デジタルマーケティングによって、中小企業が大企業に負けないマーケティングできる時代が来た、と言えると思う次第です。

診断士として、今後も、このあたりの最新情報と事例を常におさえてきたいところです。

さて、いよいよ講義は「診る」の中核に突入します。現場を体感して、ぜひとも楽しみながら学んでください!

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しっかり休養しよう!

2025-01-11 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆さん、新年あけましておめどとうございます。第24期生の森谷です。

年末年始は最大で9連休となり、皆さんもゆっくりとお過ごしになられたと思います。私の場合6連休でしたが、箱根駅伝も2日間に亘ってテレビの前で応援することができ、いつもの年よりもゆったりとしたお正月を過ごすことができました。

さて、今回のブログでは、しっかりと休養・休息をとるための上手な休日の過ごし方について書きたいと思います。

最初に日本人の働きぶり・疲れの状況を振り返ってみたいと思います。

まず、日本の平均年間総実労働時間(2022年)は、1,607時間(1988年比△485時間)で、主要諸外国のうちアメリカ1,811時間、イタリア1,694時間に次いで3番目に長い状況です。(参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2024」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2024/index.html))

また、日本の平均睡眠時間(2021年)は、1日平均7時間22分で、先進国を中心にした世界33カ国で最も短く、2番目に短い韓国と比べても30分も近い差がある、とのことです。(参照:日本老友新聞(https://www.ro-yu.com/medical/kokoro/12623.html))

さらに、日本人の疲労状況は、一般社団法人日本リカバリー協会「日本の疲労状況2024」(https://www.recovery.or.jp/research/5580)によると、

  • 2023年から2024年の推移で見ると、「元気な人」が21.8%(2023年比0.3%増加)であるものの、依然として全体の約8割の人が疲れている。
  • シニアになるほど「元気な人」が増える一方、20代~40代では「元気な人」は10%台前半に留まる。

とのことでした。

以上から、日本は、労働時間は長期的には短くなっているものの、世界と比べまだ働きすぎであり、睡眠時間も短いこともあり、元気な人が少なく、疲れている人が多い状況が分かりますね。

今回の年末年始では、しっかりと休養・休息をとろうと考えて、以下の2冊の書籍を読みましたので、その中から疲れを取るための上手な休日の過ごし方をご紹介します。

『あなたを疲れから救う 休養学』(著者:片野秀樹)

『世界の一流は「休日」に何をしているか』(著者:越川慎司)

 

まず、『あなたを疲れから救う 休養学』から。

  • 「活動⇒疲労⇒休養」のサイクルでは、休養しても100%のフル充電状態に戻せない可能性があるので、「活力」を加えた「活動⇒疲労⇒休養⇒活力」のサイクルにしてはどうか。
  • 「活力」を加える(高める)とは、アスリートの世界でいう「超回復理論」(※)と同じように「あえて自分に何か負荷をかける」こと。 ※「あえて負荷をかけたトレーニングをすると、その直後は疲れて体力が低下するが、そのあと十分な休養をとることで、トレーニングをする前より体力がつく」という現象を説明した理論。
  • 活力を高める上手な負荷のかけ方とは、その負荷が次の4つの条件を満たすことが必要。⇒①自分で決めたもの、②仕事と関係がない、③それに挑戦することで自分が成長できる、④楽しむ余裕がある。

次に、『世界の一流は「休日」に何をしているか』から。

  • 世界の一流は、休日を使って身体と脳の休息を図るだけでなく、「自己効力感」をアップさせている。
  • 「自己効力感」とは「自分は目標を達成できるだけの能力を持っている」と自分自身が認識すること。(自分の能力や評価に対して自己評価が高い状態を指す「自己肯定感」とは異なる考え)
  • 自己効力感を高めるため、世界の一流が実践している4つのアプローチは次の通り。⇒①簡単な目標を設定して小さな達成感を得る、②新しいことにチャレンジする、③人とのつながりを大切にする、④自己省察の時間を持つ。

以上を踏まえ、私の当面の休日の過ごし方の目標は、(1)宮崎先生から教わった「ののゆる体操」を実践・継続する、(2)ビジネスに無関係なテーマの読書を楽しむ、(3)(オンライン学習プログラムの)Udemyで知らないジャンルの動画を視聴する、としたいと思います。

今年は、山崎塾長のブログ(「謹賀新年2025 襷を繋ぐ」)にもある通り、乙巳(きのとみ)の年であり、変化と革新、成長と発展、チャンスの年とのこと。上手に負荷をかけて活力や自己効力感を高めるような休養・休息をしっかりとりつつ、焦らずに自身の変化や成長に邁進していきます。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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失敗を恐れずに挑戦しよう!

2025-01-10 12:00:00 | 24期のブログリレー

 事務局の佐々木です。こんにちは。いよいよ2025年が始まりましたね。今年は巳年なので、一皮むけるチャレンジをしようと考えている方も多いと思います。チャレンジする人には必ず「失敗を恐れずに!」という言葉がついてきます。成功するためにはチャレンジが不可欠なので、失敗を恐れていたら何も始まりません。稼プロ!の講義のように、積極的に失敗を奨励する場もあります。でも、「理屈は理解できるけど、失敗は嫌だ」という人は結構いませんか?

 「失敗が嫌だ」の理由として私が最もよく聞くのは、「だって評価が下がるでしょ」という声です。失敗を奨励しながら、実際に失敗すると減点される。安定している事業では失点をしない方が相対的に好評価を得やすいので、堅実にこれまで通りやるインセンティブが働きます。
 「自分の首を絞める」という声もよく聞きます。チャレンジしてもサポートがない。通常の業務と共に忙殺され、心身ともに追い込まれる。チャレンジしたけど成果を出せず苦しんだだけというケースです。
 「失敗して周りに迷惑をかけたくない」と思う人もいるようです。失敗することによって同僚の業務に支障をきたしたり、リカバリーに専念するために自分の業務を代行してもらったりする可能性があります。自分の失敗が周囲の負荷になることを懸念するケースです。

 私の管理職の経験のなかで、これらの不安に有効だった対処方法があります。
①「だって評価が下がるでしょ」
 こう思う人には、当然ながらチャレンジすれば評価が上がると思わせる動機づけが必要です。診断士の試験勉強で学んだビクター・ブルームの期待理論が参考になります。「成果への道筋が明確化されていることを前提として、成果達成後に魅力的な報酬が得られることの確信があれば、人間は能動的に努力を行う」という理論です。ここで大事なのは目標設定です。「頑張れば達成できる」と思える程度の難易度で、本人のキャリア志向と親和性が強いとより効果的です。

②「自分の首を絞める」
 この不安には、管理職からのリソースのサポートが不可欠です。既存業務を削って時間を創出する(新しいことをやる時は何かをやめるの鉄則を実施)、関連する研修や通信教育等を受講させる、いつでも相談に乗る(アドバイスはするけど直接手助けはしない)、繁忙期の負荷調整をする、などのサポートです。特に部下の時間をしっかり確保することが重要で、管理職が関連部門や上層部からの不要不急な要請を断ち切ってあげることが有効です。

③「失敗して周りに迷惑をかけたくない」
 この懸念は、組織の全員が挑戦していると弱まるようです。各メンバーがそれぞれ挑戦する目標を設定し、定期的に進捗を共有することで、自律的に助け合う文化が醸成されます。助け合うことが当たり前になることで、自分だけが助けてもらうという負い目が弱まります。

 失敗を恐れず挑戦するためには、上記のような動機づけ・リソース付与・環境整備が有効だと思います。「人間はその潜在能力の5-7%ぐらいしか活用していない」と言う学者もいるようですが、確かにもっと挑戦すれば大きな成果を出せるのでは?と思う人が周囲にたくさんいます。マネジメントの工夫でより多くのポテンシャルを引き出していきたいです。

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2025年問題に挑む中小企業の成長戦略を探る‐2

2025-01-09 12:00:00 | 24期のブログリレー

あけましておめでとうございます。

稼プロ!24期生の松田です。

旧年中は塾長はじめ事務局の方々、ならびに同期の皆さまに大変お世話になりました。

本年もよろしくお願い致します。

さて先月から始めた本連載では、「2025年問題」をテーマに、団塊世代の後期高齢化という大きな転換点を小企業がどう乗り越えるべきかを考察しています。前回は、経営者の高齢化や後継者不足が深刻化する中、日本の中小企業が廃業の危機に直面している現状を概観し、また、経営者や後継者候補が事業承継をためらう心理的な要因について解説しました。

企業は単なる個人やオーナーの都合だけで存続するものとはいえません。従業員、顧客、取引先、地域社会など、さまざまなステークホルダーがあるからこそ事業が成り立ち、だからこそ事業を存続させていく責任を持つ『社会的な存在』といえます。本稿では、この観点から、外部環境の変化を見据えた後継者選びの新しい視点について掘り下げていきます。

メガトレンドに対応できる後継者選びを

これまで中小企業の後継者選びは、内部事情や親族の都合を優先することが一般的でした。後継者候補が当たり前のように存在し、経済環境も安定していた時代では、それでも事業を継続できたのです。しかし、現在の日本は「予測不能」で「急激かつ不連続な変化の時代」に突入しています。世界的には、人口の爆発による影響、戦争や自然災害、パンデミックによる供給網の断絶、資源価格の高騰、国内的には、円安による輸入コスト増加、人口減による国内市場の縮小、少子高齢化など複数の問題が同時多発的に発生しているのです。

このような外部環境下で事業を存続させるには、後継者には柔軟性、変化への対応力、広い視野、実行力とリーダーシップ、そして新しい発想力が求められます。内部の事情だけでなく、近い将来に予測される大きな変化を的確に見極め、適切な戦略を立てられる人材を選ぶことが、企業を存続成長させ、社会的責任を果たすために必要です。本稿では、こうした変化の中でも、特に後継者が知るべき「7つのメガトレンド」を取り上げ、後継者に求められる資質について考察します。

7つのメガトレンド

  1. 世界人口の増加と資源需要の拡大

世界の人口は2080年代に約103億人でピークを迎えると予測されており、それに伴いエネルギーや原材料の需要が急速に拡大しています。特に新興国では都市化やインフラ整備が進み、グローバルサウス(発展途上国)を中心に資源消費が増大することで、国際市場での資源争奪が激化すると考えられます。その結果、資源の安定供給が難しくなり、これまで以上に価格が頻繁に変動する時代が訪れるでしょう。

さらに、地球規模での気候変動対策として、2050年までに「カーボン・ニュートラル」(温室効果ガスの排出実質ゼロ)の達成が求められ、石化由来資源は供給制約を受けることになります。この課題は、大企業だけでなく、中小企業にも、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用、製品やサービスの環境負荷削減といった具体的な取り組みを迫っています。また、SDGs(持続可能な開発目標)への対応も、企業の社会的責任として重要視されています。

しかし、こうした取り組みは、日本の中小企業にとって大きな負担となっています。特に、輸入依存度が高いエネルギーや原材料の価格高騰により、コストが増大し資金的余裕がない中で、国際協調のための取り組みは経営の重荷となっているのが現状です。

  1. 資源ナショナリズムの台頭

資源を保有する国々が自国の利益を優先する「資源ナショナリズム」が広がり、輸出規制や価格操作が行われています。この動きは日本の中小企業にも深刻な影響を与え、代替資源の活用や新たな調達先の確保が急務となっています。

資源小国である日本にとって、自国主義へ傾斜する国際社会の中で、資源の安定的な確保は喫緊の課題です。中小企業の現場を見てみると、こうした国際情勢の変化への対応が遅れるケースが目立ちます。特に、2025年問題により経営者の高齢化が進む中、急激な国際情勢の変化による影響を過小評価し、対応が横並びで先送りされることに起因します。

その結果、資源資源ナショナリズムのリスクに迅速に対応できず、競争力を失う可能性が高まっています。さらに、間もなく再始動するトランプ政権によって、このリスクが一層顕在化する可能性があります。

  1. 戦争や自然災害、パンデミックによる供給網の断絶リスク

戦争や自然災害、パンデミックは物流網の遮断や資源供給の制約を引き起こし、原材料価格の高騰を招いています。特にエネルギーや原材料の輸入依存度が高い産業では、こうした予測困難なリスクにより収益性の悪化が目立ち、中小企業に深刻な影響を及ぼしています。

こうした状況下では、個々の企業努力だけで対応するのは限界があります。そのため、日本政府の経済安全保障政策や国際機関との連携が重要です。具体的には、有事に備えて代替資源の研究開発や新たな調達先の確保を進めること、物流網の新規開発と安定化、再生可能エネルギーの普及促進など、国家規模での取り組みが必要です。

さらに、中小企業がこれらの政策の恩恵を十分に享受できるよう、政府や各種支援機関が広報活動や緊急融資、補助金制度を通じて積極的にサポートする体制をあらかじめ整備しておくことが一層重要になってきます。こうした支援により、中小企業は不安定な国際情勢の中でもBCP(事業継続計画)を機能させ、安定した経営を維持することが可能になります。

  1. 円安基調による輸入コスト増と輸出機会

円安が進行する中、エネルギーや原材料の輸入コストが増加し、中小企業の製造コストが上昇しています。この上昇分を価格転嫁できなければ、利益率が圧迫され、収益力が低下する懸念があります。特に下請け企業では、顧客との力関係の影響で、コスト増を製品価格に転嫁できず、原価割れでの販売を余儀なくされるケースも見られます。こうした状況は、事業継続に深刻な危機をもたらす可能性があります。

一方で、円安はこのようなリスクだけでなく、チャンスももたらします。日本政府はこの機会を活かし、輸出振興策を推進中です。「新規輸出1万者支援プログラム」では、新規輸出事業者の発掘や輸出相談、商品開発費用の補助、輸出商社とのマッチング、ECサイト出展の支援など、包括的な取り組みを行っています。これにより、中小企業が海外展開に挑戦しやすい環境を整備しています。

しかし、円安による輸出メリットを享受している中小企業はまだ少数です。その理由として、海外市場の情報不足、取引先やパートナー企業を開拓する力の弱さ、そして国際取引に対応できる人材の不足が挙げられます。この結果、多くの中小企業は縮小する市場の中で内需依存から抜け出せない状況にあります。

さらに、輸出を行う主に大企業は輸出免税による消費税還付を受けられる一方、輸出に取り組めていない多くの中小企業はその恩恵を受けられません。このため、今後消費税率の引き上げが予測される中、輸出を活用する企業と内需中心の企業との間で収益格差が広がる懸念があります。

中小企業は円安のリスクばかりに目を向けるのではなく、輸出を通じた成長機会を積極的に活用も視野に入れながら、情報収集、人材育成、取引先開拓など、官民一体となった取り組みを行うことが引き続き重要です。

  1. 2025年の崖とデジタル化の遅

2025年には、ITシステムの老朽化やセキュリティリスクが顕在化する「2025年の崖」が深刻な問題として注目されています。2025年には、21年以上稼働している旧式の基幹システムを使用している企業の割合が60%以上に達すると予測されています。これらのシステムはメーカーやベンダーのサポートが終了しつつあり、その結果、運用の維持が困難になるだけでなく、サイバー攻撃のリスクも増大しています。

人手不足を補うためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むことが不可欠です。DX化が進まない場合、自動化や業務効率化を実現できず、競争力を次第に失う可能性があります。この問題は、すでに放置できないレベルに達しているといえるでしょう。

高齢の経営者の中には、ITインフラの更新やDX化の重要性を理解しているものの、日々の業務に追われ、将来を見据えた投資を後回しにしているケースも少なくありません。そもそも、物価高や人手不足、円安といった経営環境の悪化により、利益が圧迫されている状況では、DX投資に回す資金的な余裕がないことも、悪循環の原因になっています。

  1. 2040年問題により人手不足と地方経済の衰退は深刻化

2040年には、日本の高齢者人口が約3,935万人でピークを迎える一方、生産年齢人口は約5,978万人まで減少すると予測されています。これは、高齢者1人を1.5人で支える社会を意味し、特に地方では人口が2割以上減少する見込みです。このような現役世代の急減により、企業内で担い手不在により、蓄積されてきた技術やノウハウが継承されず、技術革新を支えてきた中小企業の「宝物」は、今深刻な断絶の危機に直面しています。

また技術革新の停滞だけでなく、現役世代の急減は、採用や維持コストの上昇を招きます。コストをかけなければ人手不足は解消できないというジレンマに陥り、やむなく休廃業や倒産に至った場合、地域経済全体に連鎖的な悪影響を与える可能性があります。ひとたび、中小の一企業が消失するだけでも、供給網の断絶を引き起こし、競合企業でさえ残存利益を得られない状況を生み出し、地域社会の維持が困難になる恐れがあります。

2025年以降、人口減少と高齢化が進む中、従来の延長線上での経営を続けることは明らかに限界があります。中小企業は、長期的なトレンドを見据え、持続可能な新たな戦略を模索しなければなりません。

  1. 社会保障負担の増大

社会保障負担の増大は、日本の中小企業に深刻な影響を与えています。人材を確保し、流出を防ぐためには賃金を魅力的にする必要があります。しかし、賃上げは社会保障負担の増大を招き、さらに最低賃金の引き上げや社会保険の適用拡大が制度的に押し付けられると、企業の収益力は低下の一途をたどるばかりです。特に、2027年に予定されている「106万円の壁」の撤廃により、短時間労働者の社会保険加入が義務化されることで、社会保険料負担が一層増大すると見込まれます。この結果、人材確保と資金繰りの板挟みに直面する企業が増えることが予想されます。

さらに、コロナ禍で導入されたゼロゼロ融資の終了や補助金の縮小、金融支援策から企業再生支援への移行に伴い、中小企業は過剰債務返済のため短期間での収益力向上が求められています。しかし、ポストコロナの環境変化に対応しきれず、多くの中小企業では収益力を向上させる具体的な対策が進んでいません。その結果、借入債務だけでなく社会保険料の支払いも難しくなり、「公租公課倒産」のリスクが高まっている状況です。

こうした状況に対し、金融庁は経営改善や事業再生を支援する相談窓口を設けていますが、現場で十分に機能しているとは言えず、未払い企業に対する厳しい徴収や差し押さえが懸念されます。

中小企業がこれら「7つのメガトレンド」からの危機を乗り越えるには、「稼ぐ力」の強化が不可欠です。新しい市場の開拓や新製品・サービスの開発、業務効率化、デジタル技術の導入を通じて生産性を向上させ、収益基盤を強化する必要があります。また、政府や各種支援機関が提供する制度融資や補助金、その他支援情報を積極的に活用し、財務の安定化を同時に進める戦略的な取り組みが重要です。

2025年を「倒産予備軍」から脱却するための転換の年に

2024年には、倒産件数が11年ぶりに1万件に迫る見通しで、2025年にはさらに増加が予測されています。この先の15年間、2040年に高齢者人口がピークを迎えるまでの間、前述の「7つのメガトレンド」に加え、さらに予測困難な問題が同時多発的に発生する可能性があります。まさにVUCA時代の真っただ中にあります。

特に、本年金利がさらに引き上げられた場合、中小企業が頼りにしている信金・信組も資金調達コストの上昇により、貸出金利を引き上げざるを得なくなります。これにより、中小企業の資金繰りがさらに悪化し、休廃業状態にある企業が資金枯渇により倒産に追い込まれるリスクが高まります。このような状況では、以下の多様な倒産リスクが一層顕在化する可能性があります。

  • 後継者不足倒産: 後継者が見つからず事業が継続できないケース
  • 物価高倒産: 原材料や光熱費の高騰に対応できないケース
  • 人手不足倒産: 人材不足により事業運営が困難になるケース
  • 販売不振倒産: 需要減少に対応できず収益が悪化するケース
  • 公租公課倒産: 税金や社会保険料の負担増により経営が行き詰まるケース

こうしたリスクを回避し、中小企業が持続可能な経営を維持するには、早急に対応策を講じる必要があります。2025年を「倒産予備軍」から脱却するための転換点として「稼ぐ力」をつけるには、「事業ドメインの再構築」を軸とした経営体制の見直しや新たな成長戦略の構築が求められています。

未来を見据えた後継者選び

冒頭で述べましたように、企業は、従業員、取引先、顧客、地域社会といった多様なステークホルダーに支えられる社会的存在であり、事業継続(ゴーイングコンサーン)の責任を果たさなければなりません。未来を見据えた持続可能な成長を実現するためには、これまで代々受け継がれてきた企業のDNAを維持しながら、外部環境の変化に柔軟に対応し、事業ドメインの再構築を軸とした円滑な事業承継を進めることが求められます。

そのため、後継者選びにおいては、親族や内部事情にとらわれず、第三者承継を含めた柔軟なアプローチが必要です。このような視点を取り入れることで、従来の枠を超えた新たな発想を企業に吹き込み、急速に変化する外部環境に対応するための柔軟性や革新性を引き出すことが可能になります。後継者の選定は単なる役職の引き継ぎではなく、企業や地域社会の未来へのバトンタッチであり、持続可能な成長を実現するための重要な戦略的判断なのです。

 

 

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中小企業診断士【二次筆記試験合格】まであと1週間!

2025-01-08 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは、稼プロ!事務局の水口です。

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

今年の診断士試験の合格発表日(二次筆記試験)は、1月15日(水)。
あと1週間で、二次筆記試験の結果が発表されます。
今まで取り組んできた努力が報われて、「合格」を手にすることを心よりお祈り申し上げます。

合格すると、どうなるでしょうか?

診断士資格を持っていることは人生が大きく変わる転機の1つとなることでしょう。

 

1.中小企業診断士診断士+試験合格者の交流

  同じ会社ならともかく、社外の人との交流を自然にとることは通常あまりないと思いますが、診断士同士が集まると自然と名刺を交換して、話しをします。仕事のことや趣味などからしっかり今まで自分が知らない世界を見たり聴いたりできる。これはかなり刺激的です。

 

2.行動することで得られるものがある

  診断士資格は待っているだけでは、なにも来ません。自ら行動することが大事です。行動する上では、診断士協会に入会して協会内のネットワークを拡げるのも良いと思います。あるいは、自ら事業を始めたり、自分の周りの診断士仲間に聴いてみたりするのも良いでしょう。

 

3.チャレンジをしてみる

診断士の資格は独占業務がありません。ただ、パスポートのようなもので、さまざまな場面で役立ちます。今までの自分の専門性を高められるような分野、興味のある分野などで、失敗を恐れずにぜひ力を挑戦してください。

 

巳年は、今までの努力が実る年、新たなことを始めるには最適な年と言われています。
ぜひ、中小企業診断士活動を楽しみながら、一緒に良い年にしていきましょう!

稼げる!プロコン育成塾 事務局長 水口淳一郎

 

 

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