こんにちは、事務局の佐野です。
春の訪れと共に、野球やサッカーなどのプロスポーツも開幕を迎え、大いに賑わっています。ファンも心を躍らせる季節になりました。
私の幼少の頃は、プロスポーツといえば野球と相撲とプロレスくらいしかなかったですし、プロの選手になるなんて考えもしませんでした。ところが現在はあらゆるスポーツにプロ制度が導入され、子どもや若者たちにスポーツを職業とすることが現実味のある選択肢として与えられています。
ただ野球のようにプロ制度がある程度成熟してしまった種目は、参入障壁が高く(いわゆるレベルが高い)、夢で終わらせてしまう人が多いのも事実です。ところが、最近その間口を少しでも広げて、夢をかなえさせてあげようという取り組みがあることを知りました。
「独立リーグ」というカテゴリーがあるのをご存知でしょうか。NPB(日本野球機構、いわゆる巨人や阪神が所属するプロリーグの元締)とは一線を画し、地域振興と将来NPBやメジャーリーグを狙える選手の育成機関となることを目的として設立された、正真正銘のプロ野球リーグです。
国内には今3つの独立リーグがあります。東北・関東・北信越をテリトリーとする「ベースボールチャレンジリーグ(以下、BCリーグ)、四国をテリトリーとする「四国アイランドリーグplus(以下、四国IL)、関西を拠点とする「BASEBALL FIRST LEAGUE(以下、BFL)」です。それぞれ8チーム、4チーム、3チームで構成され、県単位ごとに1つのチームが作られています。
プロといってもテレビ中継はなし、球場に足を運んで見るしかないため知名度はなし、選手のレベルもNPBには及ばない。そんな環境で本当にプロの野球をみせる事が出来るのか、そしてなにより経営が成り立つのだろうかという心配がよぎります。
そんな中で、BCリーグはリーグ運営会社も球団も黒字経営を成し遂げているというニュースを目にしました。サッカーのJリーグチームでも難しいと言われているプロスポーツチームの経営。BCリーグ代表の村山哲二さんの著書「もしあなたがプロ野球を創れといわれたら」の中で、リーグの運営において次の点に配慮したと述べています。
1.外部とのコミュニケーションを活発に
・自治体、地元新聞社、地元財界(青年会議所など)、地域の野球団体との連携を重視
2.リーグと球団は独立採算性に
・各県で資本を集め、各県で球団を立ち上げる
3.各球団は地域貢献を重視
・野球以外でもボランティア活動などを通じて地域貢献し、地域との結びつきを強めて支持を得る
NPBの球団はチーム名に東京だ大阪だ北海道だと言いながらも、結局全国規模でファンやスポンサーを獲得してナンボの世界のようですが、経営資源が限られる独立リーグは、地域に根差し地域とともに存続を図る、というスタイルに徹し、小さいながらも一定の成功を得るビジネスモデルを構築したようです。驚くような手法ではありませんが、地道に基本をコツコツと積み重ねる手法が、中小企業経営の基本に重なる部分がありそうですね。
今年から、このBCリーグに福島ホープスという福島県のチームが参戦します。監督には、ヤクルトや米国メジャーリーグ、そして東北楽天でプレーした岩村選手が就任。福島の復興ため、地域の人々に希望を与えるため、ホープスと名付けられたということです。福島生まれの私も復興に役立つならばと、是非一度球場に足を運んでみたいと思っています。今年は4/11が開幕です。
BCリーグHPはこちら→ http://www.bc-l.jp/