読者の皆様、こんにちは。17期卒の渡邉大輔です。
タイトルにある通り本日2023年3月31日に父親の経営する会社を承継し、代表取締役に就任しました。
良い日にブログを回していただいて感謝です。
2019年6月に岡山に戻ってから4年足らずの間での事業承継をしました。
振り返ってみると、思っていたより苦労したなと思います。
最初は、お客様と上手くやっていけるか、とか従業員と上手くやっていけるかな、と心配していたのですが、
意外と一番苦労したのが父親との関係性でした。
父親は過去の成功イメージがあり、現状のやり方を変えようとしない、私にも同じ様にやることを望み、
私が何か社内制度の変更等を提案してもことごとく否定される。
「今までの苦労を知らないお前に言われたくない」という様な感情があったのだと思います。
逆に、私は現状に危機感を感じ、会社を潰すわけにはいかないというプレッシャーがあり、従業員からも
色々なことを要求される。業績はかなり落ち込んでいる状態で、何か変えていかなければ、という思いはあっても
何を言っても社長から否定される。そんな状態でイライラがつのり、父親とは会話もしたくないし顔を合わせるのも
嫌だという状況でした。父親が諸悪の根源だくらいに思っていました。
一時期は会議の度に喧嘩になるため、それであれば発言しない方がましかと思い、常に無言という状態も何度も
ありました。
終いには母親からもLINEで「あなたのやり方は社長を無視しすぎていて傲慢すぎる」みたいなメッセージが来て、
本当に会社継ぐのやめようかなと思いました。
そんな時に事業承継士の勉強をしていて「社長と後継者の思いをつなぐ事業承継計画」の書き方を学びました。
事業承継計画書の中に社長が「会社に残したいこと」と後継者が「これから取り組みたいこと」を書く、というだけなのですが、なるほど、と思いました。
親子なので会話のコミュニケーションだとお互い言い過ぎてしまって上手くいかない。だから紙に書くことでお互い少し冷静に理解し合えるのではないかと思ったのです。
正直、父親にお願いするのは嫌でしたが、何とか覚悟を決めて「会社に残したいこと」を紙に書いてもらい、私の今後の計画も書いて渡しました。そこからはお互い感情がほぐれた感じはあって、少しコミュニケーションが良くなりました。今でも決して良いとは言えないのですが、一時期の最悪の状態は脱して、何とか無事承継にたどり着けた、という状態です。
親族内で承継する場合に同じ様な思いをする人はたくさんいるのではないかと思います。実際、親と子が喧嘩をして承継するのを止めたという例はたくさん聞きます。
でもお互い一生懸命だからぶつかるわけだし、親子だから言葉で言い過ぎてしまって上手くいかなくなるのはもったいないと思います。
なので、私は今後、事業承継士として親族内承継をする親と子の間に入ってコミュニケーションのお手伝いをしたいと思っています。実際私も自分の考えや意見を客観的に父親に伝えてくれる人が欲しかったし、おそらく父親の方も同じ様なことを思っていたのではないかと思います。当然ながら1社1社事情は違うと思いますが、私自身がこの4年間で経験したことが活かせるのではないかと思っています。
当然ながらまずは自分が継いだ会社の経営を上手くやっていくことが大事です。会社は問題山積ですが、これから一つ一つ真摯に取組み、良い会社にしていきたいと思います。
実は今年私は厄年なのですが、厄年だったけど承継して良かったと言える年に出来るように頑張りたいと思います。
それでは、長文にお付き合い頂きありがとうございました。