東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

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2025年問題に挑む中小企業の成長戦略を探る‐3

2025-02-04 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは!

稼プロ!24期生の松田です。

本連載では、「2025年問題」をテーマに、日本の中小企業が直面する課題とその解決策を探っています。特に、東京一極集中の影響で地方企業の人手不足や後継者不足が深刻化する中、事業承継の問題は喫緊の課題です。2025年が幕開けして早くも1か月が経ち、多くの地方企業が待ったなしの正念場に立たされています。

時間は待ってくれません。団塊世代の経営者が確実に高齢化する中で、後継者問題と向き合わずに事業承継を先送りすることは、企業存続にとって大きなリスクとなります。早期に着手し、円滑に進めなければ、廃業や倒産という厳しい選択を迫られる可能性がますます高まっています。

中小企業庁の調査によると、2025年までに約127万社が廃業のリスクに直面するとされています。そのうち約半数は黒字企業です。 もし適切な対策が講じられなければ、企業の消滅による雇用の喪失、技術やノウハウの断絶、さらには地域経済の衰退が加速することが懸念されます。

こうした状況を受け、親族内承継や社内承継に加え、第三者承継(M&A)が重要な選択肢として注目されています。 特にM&Aは、後継者不在の企業にとって事業を存続・発展させる手段です。同時に、成長を目指す企業にとっても新たな市場や技術を獲得する機会となり得ます。

こうした中、中小企業庁は2019年に「第三者承継支援パッケージ」を策定し、10年間で60万者(6万者/年×10年)の第三者承継の実現を目指す方針を打ち出しました。また、2021年には、事業承継に関する支援体制が強化され、それまで別々に対応していた親族内承継支援の組織と第三者承継支援の組織が統合される形で『事業承継・引継ぎ支援センター』が発足しました。これにより、事業承継問題を一元的に取り扱い、ノウハウを蓄積しながら支援を行う体制が整備され、M&Aの相談件数や成約件数が急増しています。

とはいえ、中小企業のM&A市場は、まだ確立されたプラクティスが少なく、特に価格の透明性の欠如や手続きの煩雑さが課題となり、目標とする年間6万者には達していません。

こうした課題を解決するため、近年ではデジタル技術を活用したM&Aマッチングプラットフォームが登場し、中小企業がより効率的に買い手や売り手を見つけやすい環境が整いつつあります。

本稿では、私自身の経験も踏まえ、M&Aマッチングプラットフォームの特徴と活用法などについて考察します。

M&Aマッチングプラットフォームの発展と技術革新

近年、デジタル技術の進化により、M&Aのプロセスは大きく変化しています。特に、コロナ禍を契機にオンライン商談や契約手続きが一般化したことが下地となり、M&Aプロセスのデジタル化が加速しました。私自身、コロナ前からコロナ禍にかけてインドで日印案件のソーシング業務に従事していましたが、投資銀行や会計事務所などからの紹介など、アナログな手法に頼ることが多く、成約に至るケースはごくわずかでした。今振り返ると、実に非効率だったと痛感しています。

日本においても、従来のM&Aは対面交渉や仲介業者を介した紹介が主流でした。しかし、この方法では時間とコストがかかり、特に地方企業にとっては適切な買い手や売り手を見つけるのが困難でした。

現在では、M&Aマッチングプラットフォームの普及により、オンライン上で手軽に相手を探せるようになりました。これにより、遠隔地の企業同士でも迅速な交渉が可能となり、M&Aの実施が従来よりも簡便かつ効率的になっています。

さらに、異業種の買い手候補からのアプローチを受ける機会も増え、選択肢の拡大とともに、企業価値の適正な評価につながるケースも増えています。加えて、ゼロからの創業ではなく、M&Aによる起業を志す個人の参入も活発化しており、まさに「M&A戦国時代」の様相を呈しています。

マッチングプラットフォームの主な特徴

M&Aマッチングプラットフォームでは、売り手企業が匿名で情報を掲載し、買い手企業が条件に合う案件を検索できます。気になる案件とマッチングした場合、秘密保持契約(NDA)を締結したうえで実名開示を依頼し、トップ面談に向けてオンライン上で企業の詳細情報を把握できる仕組みを提供しています。主な特徴は以下の通りです。

1.スクリーニング機能

M&Aマッチングプラットフォームのスクリーニング機能は、買い手が希望する案件を迅速に絞り込むための検索ツールです。従来のM&Aでは、アドバイザーや仲介者を通じてアナログに案件情報を得る必要がありました。しかし、スクリーニング機能を活用することで、売り手・買い手双方がオンライン上で自ら検索し、短時間で適切な相手を見つけることができます。

・多様な検索条件で精度向上

スクリーニング機能では、業種、地域、企業規模、財務状況、譲渡希望金額などの条件を自由に組み合わせ、リアルタイムで最適な案件を検索できます。例えば、「関東の製造業、売上5億円以上、黒字経営」のように具体的な条件を設定し、短時間で適切な案件を絞り込むことが可能です。

・迅速な案件の絞り込みと自動通知機能

M&Aマッチングプラットフォームでは、条件に合う新規案件が登録されると、買い手にメールで通知される機能があります。また、登録した買いニーズに基づいて、適した案件を自動表示する「おすすめ案件」機能も提供されています。

・売り手や売り手アドバイザー側の活用

売り手や売り手アドバイザーが買い手の買収希望条件を検索し、条件に合った買い手に対して直接提案をすることも可能です。また、売り手アドバイザーは、売り案件の地域や業種に基づいて自動的に選ばれた提案可能な買い手リストを確認し、売り手側から買い手候補に一括提案できる機能も備わっています。

これらのオンラインスクリーニング機能により、M&Aのマッチング精度が向上し、売り手・買い手双方の機会損失を防ぐことが可能になります。 しかし、プラットフォームに頼り、ただ待っているだけでは、良い「出会い」に恵まれるとは限りません。

M&Aは婚活によくたとえられます。進化し続けるマッチング機能を最大限に活用するためには、買い手候補の目に留まりやすくする「アナログな工夫」も不可欠です。 例えば、ノンネームシート(匿名案件情報)において、買い手の関心を引くキャッチコピーの工夫や、価値提案の明確化を行うことが重要です。

2.多種多様なプラットフォーム

M&Aマッチングプラットフォームには、全国規模で利用できるものから、特定の地域や業界に特化したものまで、さまざまな種類が存在します。

・全国規模のプラットフォーム

全国規模のプラットフォームは、幅広い業種・地域の案件を取り扱い、多くの買い手候補が登録しているのが特徴です。さまざまな業種・規模の企業と全国規模でマッチング可能な反面、地方企業にとっては地域に根ざした買い手が見つかりにくい場合もあります。

・地方自治体や金融機関が運営する地域密着型プラットフォーム

地方自治体や地方銀行、信用金庫が運営するプラットフォームは、地域内での事業承継に特化しており、地元の企業や個人事業主に適しています。ただし、登録案件数が少なく、選択肢が限られる場合があります。

このように、全国規模のプラットフォームと地域密着型プラットフォームを目的や条件に応じて使い分けることで、より適切な買い手・売り手とマッチングしやすくなります。

3.生成AIを活用したM&Aプロセスの効率化

近年の生成AIの急速な発展により、M&Aアドバイザーの業務効率化や支援の質を向上させる機能を導入するプラットフォームが増えています。 例えば、決算書の自動読み取り(OCR)、ロングリストの自動生成、案件診断(プレDD)支援 などがあり、これらの技術により、迅速かつ精度の高いマッチングが可能となり、M&Aプロセスの効率化が進んでいます。

M&A市場の拡大に伴い、2035年頃までに市場規模は13兆円を上回ると予測されています。一方で、M&A支援を担う専門家は年々増えているものの、専門知識や実務経験に乏しい支援者の参入が増えており、慎重な見極めが求められています。

これまで参入障壁が低かったこともあり、詐欺まがいのM&A取引が横行し、被害を受けた売り手も少なくありません。M&A市場の信頼性を回復し、事業承継を通じた事業継続や雇用確保、技術承継、さらには地方経済の活性化という本来の目的を果たすためには、健全なM&Aを担う人材の育成が急務です。

次回は、M&A支援専門家がプラットフォームをいかに活用し、2025年という時代の要請に応えていくべきかを探ります。

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クラファン活用支援の可能性

2025-02-03 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは、稼プロ事務局(23期)の日置です。

今回は、クラウドファンディングの活用支援でビジネスをされている方と話す機会があり、学びが多かったのでその内容についてお話しようと思います。

既にご存じの方が多いとは思いますが、参考にクラウドファンディングとは何なのかgeminiにまとめてもらいました。
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クラウドファンディングとは、特定のプロジェクトや活動に対して、多くの人々から少額ずつ資金を集める方法です。

インターネットを通じて、個人や団体が自分のアイデアや夢をプレゼンテーションし、共感した人々から資金提供を募ります。

主な種類

  • 購入型: プロジェクトの成果物やサービスを、支援者へのお礼として提供
  • 寄付型: 社会貢献や慈善活動などへの支援
  • 融資型: 個人や企業にお金を貸し付け、利息をつけて返済
  • 投資型: 企業への投資家として、株式や配当金を受け取る

メリット

  • 資金調達の機会: 従来の方法では難しいプロジェクトでも、多くの人から支援を得られる可能性
  • 認知度向上: プロジェクトの情報を広く発信し、賛同者を増やす
  • コミュニティ形成: 支援者との繋がりを深め、共にプロジェクトを盛り上げる

デメリット

  • 目標金額に達しない可能性: 支援が集まらなければ、プロジェクトを実行できない
  • 手数料: プラットフォームへの手数料が発生する
  • 情報公開: プロジェクトの内容や進捗状況を公開する必要がある

ーーー
クラウドファンディングはこのように資金調達の要素を主とするものの、銀行からの借り入れや株式などの資金調達手段と比較すると、次のような特徴があります。

  1. 資金調達額:
    他と比較すると基本的には資金調達額は百万円程度が多いので、少額になります。
  2. 新規ビジネスのテストマーケティング:
    これから提供しようとしているサービスがそもそもどの程度ニーズがあるものなのかをクラウドファンディングの資金調達状況で確認することができます。
  3. 事前販売:
    1と2をまとめると、サービスリリース後の初動で入るキャッシュを事前の運転資金に回せるという要素が強くなります。
  4. ビジネスのお試し稼働:
    サービスが良いだけではビジネスとして成り立たないように、サービス内容だけではクラウドファンディングでの資金調達は成功しません。クラウドファンディングでの資金調達が成功するかは「サービス×クラファン計画×期間中のマーケティング活動」で決まるので、計画策定力とマーケティング力を養うことができます。言ってしまえば、クラウドファンディング程度も成功できないようでは、本格的にビジネスを始める力がないということです。

上記の通り、クラウドファンディングを成功させたビジネスは、既に顧客を抱えることもできていて、さらに集客するための実行力も持っていることから、事業計画への信頼性も上がるので、銀行からの融資や補助金の採択もされやすくなります。

診断士は現状、銀行からの融資や補助金申請の支援を行うことが資金調達支援面では多いかと思いますが、クラウドファンディング支援の方が実行力が求められることから、診断士の能力がより活かせるのではないでしょうか?

また、クラウドファンディング支援から入ることでその後継続して、銀行からの融資や補助金申請の支援をはじめ、管理会計やマーケティング活動支援など幅広い領域で伴走支援ができると考えております。

 

最後に、診断士がクラウドファンディング支援に入る際の報酬についてですが、成功報酬10%でもお客様に喜ばれるそうです。

大手プラットフォーム提供のCAMPFIREでは成功報酬17%程度なので、手数料が全くかからないあまり有名でない他のプラットフォームを活用し支援することで、お客様にとっても金額的メリットがあります。

CAMPFIREは基本的には、ある程度既に知名度のある方が多くの人から応援してもらうにはとてもよいプラットフォームですが、知名度がなく新たなビジネスを始めようとする方は、SNS活用などマーケティング活動による集客からの導線を作ることになるので、有名でない他のプラットフォームでも事足ります。

 

みなさんいかがだったでしょうか。興味持った方いればぜひ一度クラウドファンディング調べてみてください!

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現場のリアル感

2025-02-02 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは!

稼プロ!24期生の二瓶です。

寒い日が続きますが皆様におかれましては、体調管理には十分気をつけてこの冬を乗り切りましょう!

 

今回は、「現場のリアル感」について書きたいと思います。

私は、ここ数年スポーツや音楽等々について、出来る限りリアルで観戦するようにしています。TV観戦ではわからない選手やアーティストの息づかいなどのリアル感を肌で感じることが出来ます。これこそがまさにリアル観戦の醍醐味と言えます。

 

私は、この1月に初めて箱根大学駅伝をリアルで観戦してきました。蒲鉾の鈴廣がある4区から5区のタスキ渡しの地点です。観戦したのは4区の残り20mくらいの地点でした。

行く前はたかが数分間通りすぎるのを観るだけと思っていましたが、どうしてどうして全力で走る選手たちのリアルな鼓動や汗だくな姿に心から感動してしまいました。

一番リアルに感じたのが「スピード」です。

20km近く走っていながらその選手と私とで50m競走しても確実に負けてしまうであろう全力疾走しているそのスピードです。これはTV観戦では伝わりません。

また、選手の後ろにいるチーム監督が時にはパワハラ?まがいの声がけなど笑ってしまうほどでした。

今まではTV観戦したことしか無かったのですが、駅伝はリアル観戦に限ると痛感した次第です。

 

 その他のスポーツでは、アメリカンフットボールです。

社会人リーグを何回か観戦してきましたが、リアルに感じたのが「ぶつかり合う音」です。

このスポーツは、競技中でほぼ全員の選手同士がぶつかり合っています。

常にヘルメットなど防具同士のぶつかり合う音がガツンガツンと鳴り響いています。

球技というよりも格闘技に近いリアル感を感じます。こちらもTV観戦ではなかなか味わえない醍醐味と言えます。

 

 

 先日、稼プロの現場実習で金属加工業の工場を見学させていただきました。

そこではまさに日本の製造業を支える現場工場のリアルな姿を目の当たりにすることが出来ました。

診断士試験で学習した生産方式など机上だけでは知り得ない工作設備類、その配置、生産管理するホワイトボードなどリアルな現場を知る貴重な体験でした。

 中小企業診断士として、診断業務を行うにあたって答えは現場にしかなく、生産現場、営業現場など現場第一主義である大切さをあらためて感じた次第です。

 

 これからもスポーツなどはもちろんのこと、診断士業務でもリアルな現場を観ることを大切にしていきたいと思います。

 

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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漫画は読者の視点に立って描け!「Dr.マシリト最強漫画術」より

2025-02-01 12:00:00 | 24期のブログリレー

 事務局(23期生)の永岡です。今年の最初のブログになります。

 昨年、漫画家、鳥山明氏のご逝去でした。「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」の作者であり、1990年代のジャンプ黄金時代の立役者でもあります。ドラゴンボールは学生時代、ワクワクしながら読んでいました。若い世代は知らない方も多くなってきて、寂しく思うこともあります。逆に同世代の間では大変盛り上がりますね。

 さてその鳥山明を一大漫画家へと育てたと言われるのが、編集者の鳥嶋和彦氏です。会社を辞め、賞金目当てで漫画賞に応募した鳥山氏に目をつけたのが鳥嶋氏です。当時、鳥嶋氏は集英社に入社2年目だったというから驚きです。先見の明は見事にあたり、鳥山氏は大漫画家となりました。鳥嶋氏は「ウイングマン」「電影少女」の桂正和氏、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の稲田浩司氏など数多くの有名漫画家を育てています。

 鳥嶋氏は「Dr.マシリト最強漫画術」という本を書かれています。Dr.マシリトは「Dr.スランプ」で鳥山氏がライバルとして登場させたキャラであり、鳥嶋氏のニックネームとなっています。この本の冒頭で鳥嶋氏は「漫画は読者の視点に立って描け!」と唱えています。デビューできなかった漫画家志望者や連載が続かなかった漫画家は数多くいます。成功できなかった最大の理由は、彼らの描く漫画が読みにくかったからだ、と断言しています。面白いかどうか判断するのは読者である。どんなに絵や物語が良くても、作者の一方的な視点で描かれている作品は支持されない。編集者は最初の読者である。良い漫画かどうかを読者の視点で判断できる事が大切である、ということでした。

 このことは、稼プロ!で学ぶ基礎スキルにもつながると感じています。ブログ、小論文やスピーチなど発信するものは、読み手や聞き手がいて初めて成立します。どんなによい内容も、受け止められなければ無意味になります。受け手の視点に立って、細部まで磨き上げてゆくことが大切なのでしょう。

 少年時代に楽しんだ漫画にもビジネス的な要素が詰まっています。しかし、余計な事を考えず、素直に漫画を楽しめる少年時代に戻ってみたいものですね。

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ファシリテーション

2025-01-31 12:00:00 | 24期のブログリレー

 こんにちは、24期の成嶋です。現在、稼プロ!24期生はグループをつくって診断実習を行っています。講義において先生が「各グループで議論する際には、リーダーのファシリテーション力が重要である」ということをおっしゃっていました。「ファシリテーション」とは、会議やミーティングなどの場で、参加者の意見を整理して合意形成をサポートする技法のことです。そのファシリテーションの役割を担う人を「ファシリテーター」といいます。

 そういえば中小企業診断士の2回目の実務補習において、私はチームリーダーをすることになりました。そのとき『「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション』(PHPビジネス新書)という本を読んで勉強したことを思いだしました。チームリーダーとして議論を円滑に進めなければならないと考えたからです。(私が実際にファシリテーターとして充分に機能したかというと、それはかなりあやしいです。)また、現在、読んでいる『コンサル時代に教わった仕事ができる人の当たり前』(ダイヤモンド社)という本の第5章にもファシリテーションのことが書かれています。今回のブログでは、これらの本に書かれているファシリテーションのポイントを要約して紹介します。診断実習を行っている24期のみなさんの何かの参考になればと思います。

●会議前
 ファシリテーターは会議前には会議の設計を行います。設計を行う項目は主に以下の通りです。

 ・会議の目標(ゴール)を具体化・明確化をする。
 ・目標を達成するために、どのような論点を取り上げて議論するかを設計する。
 ・議論の順番を検討し進め方を設計する。その際、各議論の所要時間の目安も設定する。

●会議の冒頭
 ファシリテーターは、会議の冒頭において、会議の目標、論点、進め方を伝えて参加者全員の意識を揃えます。
会議の目標、論点、進め方は、参加者の見えるところに書いておきます。そうしておけば、議論が脱線したときに、そこを指し示して注意することにも使用することができます。

●会議中
 会議で各自が意見を出し合い、個々の意見の重要なポイントを明らかにして、全員の理解を促すために、ファシリテーターは下記のことを行います。

 ・全員がフラットに発言できるよう配慮する。
 ・各自の意見を要約する。
 ・意見が分かりづらい場合、コミュニケーションをとりつつ意見を翻訳する。
 ・各自の意見の要約をホワイトボードなど参加者の見えるところに記録する。
 ・個々の主張の根拠を引き出し、妥当性を検証できるようにする。

 各自の意見が出たら、個々の意見の相互関係を明らかにして、全体像・重点を把握します。そのために以下を行います。

 ・付箋を活用したり、共通点を見つけてグループ化を行う。
 ・ロジックツリーなどを使用して構造化する。

 そして、意見の対立を乗り越え、全員の合意点を積み重ねて結論にたどりつきます。そのための方法は主に下記の通りです。

 ・目的を達成するための判断基準を合意して、それに照らし合わせて選択する。
 ・意思決定マトリクス、ペイオフマトリクスなどのフレームワークを活用する。
 ・みんなが合意できる統合メッセージをひねりだす。

 その他、ファシリテーションの本を読んでいて面白かったのは、会議が紛糾してどうしても決まらなかったら、どうするかを事前に決めておくとよいそうです。例えば、A案でいく、多数決で決定、リーダーの決定に従う、1週間後にもう一度会議を行うなどです。

 以上、『「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション』と『コンサル時代に教わった仕事ができる人の当たり前』に書かれている内容をかなり要約して紹介しました。これらの本には、ここで紹介できなかったファシリテーションの具体的なノウハウが書かれており、参考になるかと思います。興味がある方は、読んでみてはいかがでしょうか。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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