こんにちは、24期生の金子政弘です。
3月9日、日めくりカレンダーに「千兵は得やすく、一将は求め難し」ということわざがありました。意味は平凡な人は簡単に集まるが、優れたリーダーはなかなか見つからないという意味でした。
優れたリーダーは人々を引っ張っていき、世の中を良くしていく力をもっている人です。英雄と言われるような人もこの中に入ると思っています。良いリーダーは一つの良い会社から沢山輩出されていることが多いですよね。これは良いリーダーを育てる社風、教育方針によるものと思います。
企業は社長次第で良くも悪くもなることを最近の買収や合併の報道を見ていると実感します。
今回は食品メーカーのロゴについて書きたいと思います。
ロゴには経営方針を反映して定期的に変更する食品メーカーと創業者の思いを形にしたロゴを変更しない食品メーカーがあります。
グローバルな展開を目指す大きな食品メーカーはほとんどロゴを変更しているように思います。
日本のメーカー名は発音や漢字の社名から、外国人には浸透しにくい為、ブランド認知度向上にロゴが非常に重要になってくるようです。
ロゴを変更するうま味調味料メーカーA社は調味料ではグローバル企業になっていて、うま味を作る技術では世界中で高く評価されています。A社はグローバルな事業展開を積極的に行っていますが、社名を外国人の顧客が発音しにくい為、世界中の誰にでも読みやすく、覚えやすいロゴを作り直す必要があったことがホームページに書いてありました。ロゴにどんな思いが込められているのかホームページを読むと理解できます。またA社は国内より世界市場で闘って存在感を出したいことがわかりました。
世界の食品グローバル企業売上ベスト20には残念ながら日本企業は1社も入っていません。世界の食品メーカーの上位5社は1位ネスレ(スイス)の約14兆7300億円を筆頭に2位ペプシコ(アメリカ)約12兆2800億円、3位ジェイビーエス(ブラジル)約11兆1000億円、4位アンハイザーブッシュ・インベブ(ベルギー)約8兆2100億円 酒メーカー、5位タイソンフーズ(アメリカ)約7兆5700億円 食肉、といった売上ランキングになっていて、およそ世界のトップ10に入れない規模です。日本の中で一番売上が大きい企業はサントリーホールディングス2024年12月期の約3兆2100億円です。世界のマーケットで存在感を発揮していますが、グローバル企業にはまだまだ上がいます。
昔から食品業界で言われている話ですが大きくならないと日本の食品メーカーはそのうち大手グローバル企業にTOBなどを仕掛けられて買収される可能があります。そうならないためには少しでも大きな企業になる必要があると思います。
A社は時代と共に経営方針を刷新してロゴを変えるメーカーですが、まったく変えずに使っているロゴがあります。醤油メーカーF社のロゴです。
F社は1861年に創業した九州の醤油メーカーで、九州では醤油の売上No.1企業です。
F社のロゴは錐の形の中に金という字が入ったものです。デザインは、かつて目方を量る際に使用した「錘(すい(はかり・おもりのこと))」の形を基にデザインされました。
ロゴのデザインの意味は裏表がなく左右対称であることから製品の確かさや、偽りのないことをあらわしています。「確かさ・正直さ」をあらわし、中央に創業者の名前から「金」をあしらっています。(F社ホームページより引用)
我々の仕事には裏も表もなく、ごまかしがないという意味があり、創業からの企業理念がロゴに込められていて、その思いは永遠に変わらないことを語っているように思います。F社は創業者の思いを時代が変わってもロゴを変えないことに意味があると思っています。
私は前職で原料サプライヤーとして取引している頃、F社が仕入れ先をとても大事にしているので仕入れ先から質の高い希少な原料供給を受けてヒット商品を作っていました。F社の誠実な姿勢に、仕入れ先が原料面で支援して、他社に真似できない商品作りにつながっていることを感じていました。
ロゴには企業理念や会社の方向性が形になるので、色々な会社のロゴを調べると経営哲学が理解できて、これがきっかけにブランドのファンが増えると思います。どんなお客様に訴求したいか、によって
ロゴのデザインも変えていくことがわかって経営戦略を理解するうえで興味深いです。
私も自分の事業のロゴを作ってみたいと思います。
これも稼プロ!で教えて頂いた「セルフブランディング」の表現方法の一つであると考えています。