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先達・先輩から学んだこと(第5回)~40代後半、初めての外資系で学んだこと

2025-03-13 12:00:00 | 事務局からのメッセージ

事務局の大井秀人(20期)です。

今期の勝手連載、「先達・先輩から学んだこと」の第5回です。今回は、前回のパナソニックの話の続きにしようと思っていましたが、その後2017年、46歳で転職して入社した外資系メーカーでのお話に変更しました。先輩から学んだこととはちょっと違いますが、異文化に入ってみて学んだことという趣旨でお読みください。

ちなみに前回のブログはこちら。
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視点のルーツをまとめる(第1回)
新人のときに学んだ基本動作(第2回)
営業は確率論(第3回)
経営の神様の会社に転職して(第4回)
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その会社はカナダ本社の外資系の放送局向けの映像ソリューションメーカーです。私は日本拠点の開発プログラムマネージャーとして働いていました。グローバル標準のプロジェクト管理プロセスを導入し、開発状況を可視化するというミッションです。1年半と短い期間ではありましたが、欧米企業の仕事の進め方や考え方に触れ多くの学びがありました。ここでは、その経験を振り返りながら、印象に残ったポイントを3つご紹介します。

1.適性重視のジョブ型雇用に驚き

外資系企業では、「ジョブ型雇用」が基本です。職務ごとに求められるスキルや役割が明確に定められ、それに適した人材が採用されます。私のポジションも、グローバルで統一されたプロジェクト管理ルールを導入するために新設されたものでした。

入社して驚いたのは、私の採用理由が、「Webテストや長時間人事面接を通して「この仕事に向いているか」という基準をクリアしたのが私だけだった」という点です。現場側は、業界経験・スキル面で別の候補者を推していたそうです。それでも適性が重視されるのは大変驚きました。さらに「このポジションが無くなれば雇用も消える」と聞き、少し背筋も寒くなりました。実際、リストラを他のポジションで目の当たりにして、雇用の流動性が高いことを実感した次第です。

2.厳格なルールと柔軟な運用のバランス

私が担当したプログラムマネージメントの仕事では、プロジェクト管理のルールが細かく決められていました。開発フェーズごとの成果物や責任範囲(RACI)、モニタリングのKPIなど、詳細なガイドラインがありました。一方で、実際に運用してみると、必ずしもルール通りにやる必要はなく、「目的が達成できればOK」という柔軟な対応が取られていました。

日本企業ではルールを守ることが重視されがちですが、外資では目的に合わせてルールを変えることも普通でした。管理システムもすぐに変更します。この合理的な考え方はとても新鮮でした。考え方がそもそもAgileなのかもしれませんね。

3.対面なしでも回るマネジメントの仕組み

上司はモントリオールにいました。驚いたのは、その上司と1年半で一度しか直接会わなかったことです。1on1は常にリモート会議、しかもコロナ前でリモートが一般的ではなかった頃の話です。

それでも業務は問題なく進みました。その理由は、ジョブ型の組織では「誰が何をやるか」がはっきり決まっているからです。また、開発状況が見える化されたことで、本社から日本拠点への細かい指示も減り、結果として現場が自律的に動けるようになりました。「管理のための管理をしない」というのが、欧米企業の合理的なマネジメントの特徴なのかもしれません。

 

この1年半の経験で、外資系企業のプロジェクト管理の考え方や、ジョブ型雇用のリアルを学びました。特に、「適性を重視した採用」「厳格なルールと柔軟な運用」「対面なしでも機能するマネジメント」の3点は、JTC(Japan Traditional Company)にしか経験していなかった私にとって興味深いポイントでした。このような点は、日本企業での働き方を見直すヒントにもなる気がします。

一方で、会社のミッション、ビジョン、バリューが明確に定められていて、全世界のグループ会社に展開され、グローバルの共通言語になっていました。ここはパナソニックと共通しています。経営理念は、グローバル企業の共通の必要条件とあらてめて感じたことを覚えています(これはグローバル企業に限りませんが)。

次回は最後になりそうなので、前職の資生堂の経験について書きたいと思います。

 

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1 コメント

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Unknown (今村信哉)
2025-03-13 18:41:39
MVVが明示・浸透しているからこその、3つのポイントなんでしょうかね。同じ方向を向いているからこそ、柔軟な運用と自律的・合理的な働き方ができると。見習うべきポイントですね。ありがとうございます!
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