皆さんこんにちは、富岡です。
先日、ある研修が終わったあと、一人の受講生がやって来て
私にこう言いました。
「先生の話はとてもおもしろく、まるで落語を聞いているようでした。
時間が経つのを忘れました」
これって、喜んでいいのかなあ・・・
べつに落語のようにやろうとは思っていないのですが、私が落語を
好きなのは確かです。
寄席や独演会に行く時間はないので、もっぱら夜寝るときに名人の
CDを聞いています。
いろいろな名人の落語を聞きましたが、なんと言っても私が一番好き
なのは、三代目古今亭志ん朝です。昭和40年、50年代に大活躍しました。
明快で、リズムが良くて、分かりやすい落語です。
平成13年、63歳の若さで亡くなりました。私が落語を好きになったときは
もう他界していましたので、ライブを見られず本当に残念です。
落語にはマクラというものがあります。
本題に入る前の雑談です。プレゼンのつかみと同じです。
志ん朝がマクラでよく言うことがあります。
「近頃は、古典芸能を鑑賞しようなんて身構える方も多いんですが、落語
なんてえものはそんなに大層なもんじゃございません。どうかひとつ、
頭を休めてボーとして聞いてください」
私の携わる研修では、あまりボーとしてもらっちゃあ困るのですが、
あまり話を複雑にしないで、シンプルにストレートに大事なことをお伝えする、
そういうところは志ん朝師匠にならっているのです。
富岡 淳