こんにちは! 21期生の小林です。2021年もあと数日ですね。コロナの影響が拡大したり、縮小したり、今年もコロナに振り回された1年だったように思います。私にとっては、稼プロ!に入塾して、「書く、話す、診る、聴く」力を学び、キャリアビジョンを見つめることができた、実りのある1年でした。
私はここ何年か、年の終わりごろに、自分で勝手にその年に読んだ本のベスト10を作り、記録しています。「読書メーター」というアプリを使って、いつ何の本を読んだか記録しているので、そこに記録した本を眺めながら、ベストを選ぶのは、けっこう楽しい作業です。(「読書メーター」というアプリは、記録用に使いやすいのでオススメです。)
だいたい、週1冊位(年間5~60冊位)読むことが多いので、その中から今年の私のベスト3を簡単に紹介したいと思います。
➀杉本圭三郎『新版 平家物語 全訳注』講談社学術文庫
現代語訳では平家物語を一度読んでいたのですが、改めて、古文の原文、現代語訳が併記のもので読みました。(文庫本で約700P×4冊あり、かなりボリュームがあります。)
原文の美しさを認識しましたが、やはり物語として単純に面白いと改めて実感しました。時代が激しく変わる時の、社会の大きな変動、人の生死の人間模様が鮮明なイメージを持った文章で描かれており、数々の場面が強い印象を持って心に刻まれます。
全て挙げるときりがないので、1つ好きな場面を挙げると「木曽最期」です。わずか数ヶ月だけ京都で天下を取った木曽義仲が、源義経の軍に追い詰められて、近江の粟津で最期を迎えます。木曽義仲は田のぬかるみに馬の足をとられて、矢で討ち取られます。それを聞いた、義仲の乳母子(乳母の子で、子どものころからずっと行動をともにしてきた)である今井四郎兼平は、太刀の先を口にくわえ、馬からさかさまに飛んで落ち、太刀に貫かれて自害します。このような、劇的でグロテスクな物語と死の描写は、他の物語でもなかなか見られないものかと思います。
他にも「敦盛」「維盛入水」「壇浦合戦」「大原御幸」などなど、好きなシーンはいろいろありますが、時代を越えて読み継がれる、単純に読んで面白い物語と思います。
②P・F・ドラッカー『産業人の未来』ダイヤモンド社
ドラッカー勉強会の課題本で読みました。ドラッカーですが、経営の本ではなく、第二次世界大戦当時の1942年に出版された、政治や宗教などの思想と社会の関係を書いた本です。その当時のナチズムなどのファシズムを批判し、産業を中心とした社会において、政治と社会はどうあるべきかを書いています。
一度通しで読んだものの、勉強会で一章ずつ掘り下げて読んでいくと、当初は全然理解できていなかったのだな、と気づかされることばかりです。世界史、哲学、政治思想などに興味が広がり、根本的な価値観の見直しを促される、非常に刺激的な面白い本です。
③橋爪大三郎『教養としての聖書』光文社新書
先の『産業人の未来』で、キリスト教への言及があるのですが、その内容に理解が及ばず、宮本先生の西洋を知るためにはキリスト教を知った方がよい、という言葉に刺激されて、旧約聖書・新約聖書を読むことに取り組みました。ただ、全2,000Pの内、600P位のところで、あまりにボリュームが多いこともあり、一旦中断しています。
上記の本は、聖書の主要な部分を抜き出して、解説をしてくれている本です。概要を読んである程度分かった気にはなるものの、『産業人の未来』のキリスト教の記述が理解できるところまで至っていないので、聖書には引き続きどこかのタイミングで取り組めればと思っています。
1年を通して読んできた本を振り返ることは、その読んだシチュエーションの思い出とつながって楽しくもあり、自分の成長を確認する機会ともなり、今後のプランを立てる礎にもなると思うので、引き続き実施してきたいと思います。
以上