稼プロ!ブログリレー参加の皆さま
みなさま、こんにちは。22期生小山です。
さてこのブログを書いている今日 野球で大きな2つ話題が出ています。
一つはメジャーリーグでの大谷がいるドジャースのワールドシリーズ優勝、そしてもう一つが日本シリーズで 下馬評で全く不利とされたDeNAが 逆に王者ソフトバンクに王手をかけました。生粋の巨人ファンである私としては、もうどちらでも良いですが、近年でこれほどまでに野球観戦にのめり込む年はなかった気がします。今日はそんなプロ野球に関しての 私の推薦図書3冊とそこから私たち診断士に活かせると思うポイントをご紹介したいと思います。
まず最初は「10・8 巨人VS中日 史上最高の決戦」です。
そう、セ・リーグ優勝をかけたシーズン最終戦で、平均視聴率48.8%と語り継がれるあの国民的行事ですが、実は私 現地ナゴヤ球場レフト席でライブ観戦をしていました!試合前から異常な張り詰めた空気感が終始漂っていたことは今でも鮮明に覚えています。そんな歴史的1日を時系列的に各選手などの証言を中心につづられています。実際に観戦していた私でも窺い知ることができない裏側で起きていたこと、また選手たちの本当の想いなどプロ野球の真剣さに触れられる、非常に興味深い一冊です。さて、この本(観戦含む)での診断士として活かせるポイントは、両チームの勝敗を分けた「経営者(=監督)の組織運営」だと思います。中日は”これまでのシーズン通りの1試合”と位置づけた一方、巨人は”特別な1試合”と位置づけ前々から準備し、立ち向かっていったことが、大きな勝負の分かれ目だったと思います。すなわち監督=経営者の視点、考えだけでなく、それに向かって実際に選手=組織を如何に動かし、成果をだしていくのか、その種まきやプロセスの方が重要になります。診断士は、経営者と主にやり取りをしますが、そこだけに留まらず、企業=組織全体を動かし成果創出するために、実際に働く従業員の心までを見据えた視点を持った、きめ細やかな支援が重要ではないかと思います。
2冊目はこれも有名ですが「マネー・ボール〔完全版〕」です。
映画もありますが、本をお勧めします。MLBの実話ですが、将来を嘱望された主人公ビリー・ビーンが、成績不振により選手生命を絶たれ早々に引退、スカウトへと転身するが、資金不足のチームが”勝つ”ために、一芸に秀でた選手による分業制やあらゆるデータ重視など、それまでの常識を覆し、見事優勝するという 約30年前の実話です。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、今の日本のプロ野球そのものです。私は、この本に出会った頃は、ちょうどマーケティング人材育成の担当で、どうしたら良いのかまさに思案中でした。周辺の常識や賛否よりも 客観的な数値化にこだわり、より本質を追究する因果関係を明らかにしていくことで、説得力のある選手起用やプレーで運営をする。マーケティング人材も、芸術家や職人などの感性や先天性と思われていたものを、客観的、具体的なプロセス、思考を含む行動に分解することにより、潜在的・感覚的なものを なるべく顕在的・視覚的に示したプログラム開発につながりました。診断士も、経営者の話や表層的な現象を鵜呑みにせず、財務諸表や様々な分析から本質を追究し、因果関係を見出していく姿勢こそ 非常に重要であると思います。
最後の3冊目は今週読破した「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」です。
すでに読まれている方もいらっしゃるとは思いますが、人の心を深く掘り下げ、描写している大変読み応えのある一冊です。”勝つ”ことだけに強くこだわり、常に言葉少なくや感情を出さない無表情を貫く落合監督の姿勢や心理、その言動により影響を受けていった個々の選手を丹念に取材を重ねた証言や想い、また著者自身の想いも織り交ぜられており、私たちが見聞きしている表の世界と実際の世界とのギャップの大きさを知ることがでる貴重な一冊です。落合監督は自らの人生そのものである「真のプロ」を選手にもを求めることがベースにあり、だからこそ目標に向かい、常に自問自答し、自ら工夫することを根付かせていったことが、ページを追うごと(=年を追うごと)に現れます。当時その独特な様々な言動で、大半は非難的に報道され、話題になりましたが、実際の選手たちは知らず知らずのうちに「真のプロ」へと生まれ変わっていく、本当に意味のあることであったことがわかります。診断士も、企業や経営者を支援するだけではなく、常に自らの知識やスキルを絶えず磨き上げていくことこそ、また直接的な言動ではなく、相手に気づかせ、自走させていく働きかけを工夫してこそ 「真のプロ診断士」ではないかと改めて感じました。
みなさまに 少しでも何かの参考になればと思い、つづりました。お付き合いいただき、ありがとうございました。最後に 来年こそ 巨人は日本一になります!!