東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

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事業撤退 もっともシビアな意思決定

2021-02-28 11:59:30 | 20期生のブログリレー

稼プロ! 20期生の山崎です。

今日は、事業撤退について考えてみたいと思います。

自社の強みを発揮できる分野にリソースを集中投下して差別化を図る、という模範解答的な理屈は皆さんもご存じのことと思います。「経営戦略とはすなわち資源配分」とさえ言われるように、有限の資源を適所に割り振り、ポートフォリオを適正化することの重要性は、改めて確認するまでもありません。

 

しかし、その過程で非常な痛みとして表出する可能性があるのが、事業撤退。思うように儲けられない新規事業やレガシー化した事業をやめ、別の事業に集中するという論点です。診断士試験の2次筆記試験でもよく問われるポイントですが、この事業撤退、解答として書くのは簡単でも、実行するのはとてつもなく難しいです。

 

理由は、実務的な理由と、精神的な理由に分かれます(下記に一例を抜粋)。特に、下記1-(2)意志決定段階における精神的な理由が、撤退を先延ばしさせ、低収益事業を辞められない主因となる事例が多いように思います(統計データはありません)。

 

1 意志決定段階

(1)実務的な理由

・基準を明確に定めていない。

・定めていたとしても、定量基準のみ(決定プロセスが明確でない)

・基準が実態にそぐわない又は形骸化している

・管理会計が追い付いていない

 

(2)精神的な理由

事業への思い入れ、従業員や関連事業者への情、「あともう少しで芽が出るかもしれない」という気持ち、サンクコストへの執着etc…により、撤退を決議できない(経過観察期間の設定、再生計画の策定などに議論がすり替わる)

 

2 実行段階

(1)実務的な理由

①社外

・既にサプライヤーやカスタマー、資本パートナーをはじめとしたステークホルダーが利害関係者として存在するため、個別の説明・交渉に膨大な時間と労力がかかる。

・法的な意思決定(売却、分割、債権債務整理等)が複雑

・契約上のペナルティがある

 

②社内

・従業員の配置転換の調整が困難(特に事業部制の場合、いきなり新たな人件費を背負わされることに対する抵抗が強い)

 

 

いくばくかでも収益が発生し、従業員も存在する事業から撤退するのは、並大抵の覚悟でできることではありません。モチベーションへの影響も甚大です。が、一方で、この手のある意味「後ろ向き」な意思決定を行う際、定性的な理由を勘案しているといつまで経っても手を引くことができず、非効率な体制が残存することも想像に難くありません。基準を策定する際に狙いと決定プロセスの合理性を考えつくし、適用は粛々と行うという姿勢が重要なのだと思います。

 

そして、最後は、経営者が腹を括れるかどうかなのでしょう。

 

事業者のお悩みを整頓し、やるべきことに優先順位を付けて、企業価値最大化のお手伝いをするのが我々中小企業診断士の主な仕事。難易度が高く、シビアな意思決定である「撤退」に関わることになったら、自分なら適切な助言をできるだろうか、と想像して自分を戒めています。

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伝えること、伝えたいこと

2021-02-27 12:00:00 | 20期生のブログリレー

20期生のヨシです。前回「新製品の良さをターゲットとする対象の方にどうやって認知してもらうかは、製品の新規性が高いほど難しいのではないか。そのためには、より多くの方に的確に伝えるスキルを高めることが必要。」と記しましたが、新製品を伝えることについて、これで良いのか、と納得感が得られないないため、その後もこのテーマについて考えみました。

 

前回までは、様々な経験をすることで、伝えたい相手の経験に“寄せた”説明をすることが、新製品の説明には必要だと考えていました。そのために「億劫がらずに経験を増やす努力をしていこうと思っています。」と結びました。しかし、そんなことを言っていたら、どれだけの経験をすれば新製品を伝えることができるのか、何時まで経ってもできないのではないか、との思いに至ってきました。。そもそも他人と同じ経験を得ることができると考えること自体、ある意味不遜なことかもしれません。

 

売り手側の経験を基に、新製品を売り込まれた場合、相手側からすると、鬱陶しいと思われる可能性があります。例えは良くないかもしれませんが、上司が部下に自分の人生経験を基に「語る」ことに、通じる感じもします。職場であれば大切なことですが、お客様に対してはどうでしょうか。共感を得られる可能性はむしろ低いのではないか、とも考える様になりました。

 

その結果、今では新製品を使った自分の感動を素直に訴えることが、よりよく伝えることにつながる、と考えるようになってきました。経験を伝える行為はやや理論的になりがちですが、感動は心情に訴えるので、より強く伝えやすいし、さらに伝えたい相手方と同じ経験を積む必要がありません。では、感動を伝える為には何が必要でしょうか。現在、引き続き勉強中であり、今年の検討テーマの一つとしております。

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外食業界2020年振り返りと2021年のトレンド

2021-02-26 12:00:00 | 20期生のブログリレー

皆さん、こんにちは。事務局の宇野毅です。今日は外食業界の2020年を振り返り、2021年のトレンドについて少し触れてみたいと思います。

まず、2020年について、年初には外食業界全体が「東京五輪・パラリンピック」の開催に伴うインバウンドに大きな期待を持っていました。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響により、その需要は消滅するとともに、外出自粛などの影響から外食需要そのものが激減するという極めて大きな打撃を受けました。

日本フードサービス協会の発表によると、2020年外食産業の売上前年比は84.6%と1994年の調査開始以来、最大の下げ幅となりました。特に、昨年4月の緊急事態宣言時には、前年同月比60.4%と単月で最大の下げ幅となっています。業態別では、「パブレストラン/居酒屋」が、年間前年比50.5%と特に大きなダメージを受けました。他方、テイクアウトやデリバリー需要に支えられたファストフード業態は、比較的堅調に推移し、マクドナルドやKFCは営業最高益を見込むなど、業種業態により大きな格差が生まれています。

世の中では、感染防止のための行動自粛、テレワーク増加などの働き方の変化が起こりました。そして、「繁華街・オフィス街」、「店内飲食」、「ディナー利用」、「大人数宴会」から、「郊外・住宅地」、「テイクアウト・デリバリー」、「ランチタイム」、「少人数」に対応する店舗や業態へ、消費者のシフトが起こりました。

帝国データバンクによると、昨年1年間の飲食店の倒産件数は780件と過去最多を記録したそうです。そのような中、大手外食チェーンは、さまざまな資本政策によって資金調達を図り、不採算店の閉店とともに新業態への転換を進めています。特に、ダメージの大きかった居酒屋業態は、焼肉や食堂などの食業態への転換が顕著です。また、デリバリー対応店舗を増やしたり、から揚げなどのテイクアウト専門店を出店したりと、ウィズコロナでの生き残りをかけて、さまざまな手を打っています。

さて、このように外食産業にとって極めて厳しい時代ですが、2021年の外食業界のトレンドをあげるとしたら何でしょうか。私は、「個客対応」「テイクアウト・デリバリーの進化」「デジタル・AI化の進行」の3つであると考えています。

まず、「個客対応」については、昨年、ひとり焼肉やひとりカラオケが話題となりました。今年も感染防止の観点などから、ひとり客需要がさらに大きくなると思われます。また、この需要にあわせて、モーニングタイムの掘り起こしや店舗のテレワーク・スペース化なども広がっていくと思います。

次に、「テイクアウト・デリバリーの進化」ですが、これは、私が以前このブログでも取り上げた「ゴーストレストラン」の多店舗化や調理設備を備えたキッチンカーでの飲食提供などが進むと思われます。

最後に、「デジタル・AI化」です。これは、店内業務の生産性をより向上させる方向に進むと思います。AIロボットによる配膳はTVでも話題になりました。最近もレストランでのセルフレジ導入やAIを活用した洗い場業務の自動化などの記事を目にします。現状、「外食業界の人手不足」は2019年以前のようには深刻ではないですが、将来に向けての開発や投資が進められていくでしょう。

2020年は外食業界とって極めて厳しい1年でした。そして、残念ながら、この状況は暫く続くとみられます。1日も早くコロナが収束して、皆が飲み・食べ・集う、明るい外食業界が復活する日を心待ちにしています。

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販売士学習記 ~終章 あらゆる事態を想定しておくべき~

2021-02-25 12:00:00 | 20期生のブログリレー

こんにちは、20期生の星野学です。

昨年12月から、販売士試験の学習記を書いています。

前回は、試験の採点形式について書きました。今回は、先週に受けた試験で学んだことを書きたいと思います。

 

今回の試験で学んだことは、あらゆる事態を想定しておくべきということです。

なぜかというと、マーチャンダイジングとマーケティングの記述式問題で書けなかった問題が2問あったからです。本当は、問題を掲載したかったのですが、無断転載禁止と書かれているので割愛します。

その問題で出題された論点は、テキストではページの余白に用語説明といった形式で書いてありました。私は、「この論点は、重要度が低いから出題されないだろう」と考えて、学習しなかったのです。そしたら、出題されました。記述式問題の配点が1問あたり25点とすると大きな損失です。おそらく、マーチャンダイジングとマーケティングは合格点に届いていないでしょう。

 

正直、悔しい

 

出題されるかもしれないという想定があれば、対応できたわけです。想定が甘かったことが悔やまれます。

試験に限らず、想定を甘くして後悔することはあると思います。とくに、仕事ではその甘さが取り返しのつかないことにもなるでしょう。

この経験は、あらゆる事態を想定するということを考える良いきっかけとなりました。

 

合格発表は4月です。学習記が間延びするので、ここで終わりにしたいと思います。試験結果はご報告いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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リモート環境の充実化計画

2021-02-24 12:00:00 | 20期生のブログリレー
こんにちは。20期生のtomo-hombleです。
 
緊急事態宣言もやっと終わりそうですね。
個人的には緊急事態宣言後のゆるみが怖いなと思っております。
 
もともと海外旅行の趣味を除いたらインドアな趣味ばかりあまり苦労はしていないですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
 
最近僕は久々にゆったり休めたので、思い切ってリモート環境の改善に取り組みました。
結果としては 10000円程度で満足いく結果になりましたので参考までにご報告します。
 
①外付けwebカメラ
今更ではありますが、webカメラを購入しました。
もともとノートPCにはカメラが内臓されておりましたが、リモート環境では顔をずっと机の右側に注視しないといけない点が不満でした。
理由はノートPCに外付けディスプレイを接続しており、メインの外付けディスプレイを机の正面に、サブモニタとしてノートPCを右側に配置していたためです。
zoomの打ち合わせのたびに右側を注視しなければならないのに疲れたので、打ち合わせ用に顔が大きく映るように狭角のカメラを探しました。
ロジクールの3000円ほどのwebカメラですが必要十分でした。
 
②リングライト
次に私の仕事部屋は照明を背にするレイアウトしか出来ない間取りのためリングライトを購入しました。顔が明るく映るだけでも印象がだいぶ異なると雑誌で読み、近頃営業場面も増えていたため、思い切って購入しました。3000円程度の安価なものです。
結果としては顔が明るく映るようになり、表情が伝えやすくなりました。
実際にはわかりませんが好感度があがったような気がします。
 
③グリーンバック
外付けwebカメラを机の正面に配置したことで、後ろに冷蔵庫や出入り口が見えるようになってしまいました。生活感満載でビジネス上あまり良い印象を与えないと思い、zoomのバーチャル背景を試してみました。結果として自分の顔までバーチャル背景が適用されしまい使い物になりませんでした。理由は出入り口までの廊下を含めた背景のため遠近感があったためです。そこでつるさげ式のグリーンバックを購入しました。4000円程度ですが、バーチャル背景をしっかり適用され、満足しております。
 
こんなに便利になるならもっと早くやっておけばと思い、余裕時間の創出は相変わらず課題だと思った休日でした。
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