16期の中嶋です。
第5回講義で、原先生もご存じなかった「昭和軽薄体」という文体についてご紹介します。
とりあえず「昭和軽薄体」とは何か、Wikipedia先生に説明していただきます。
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昭和軽薄体(しょうわけいはくたい)とは、椎名誠や嵐山光三郎らが1970年代末から
1980年代前半にかけて築きあげた、くだけた喋り口調が持ち味の饒舌な文体のこと。
~中略~
昭和軽薄体の文体の形式的な特徴としては、以下のような例が挙げられる。
なお、上記の作家の文体がこれらの特徴をすべて備えているわけではない。
口語調の文末(例:もんね)。
長音を「ー」で表記(例:そーゆーふーに(=そういうふうに))。
擬音語・擬態語の多用(例:ギトギト、ハフハフ)。
擬音語・擬態語を続けて使うこともある(例:ハグハグモグモグ)。
カタカナ表記の多用(例:ナリユキ(=成り行き))
ABC文体(例:でR(=である))。もっぱら嵐山光三郎によって用いられた。
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おわかりでしょうか?
言ってみれば、肩の抜けた文章です。しかし、ただ「ゆるい」というわけではなく、
文章として面白さがあります。椎名誠さんの本の中で、自身の文体を「昭和軽薄体」
と書かれていた一節があり、そのネーミングのセンスの良さもあって、このような文体
への憧れがありました。
よくわからないかと思いますので、第5回講義におけるある受講生の気持ちを
「昭和軽薄体」で書いてみたいと思います。
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スピーチが終わって、なんとなくぼんやり座っていると、A先生が「では何か感想や
意見はありませんか?」と言ってきます。
そのときおれはいつも「ハッ」として、A先生を見てしまうのである。
これはもう意見があろうがなかろうが、条件反射的に「ハッ」として見てしまうのね。
するとまあ、たとえばA先生と眼があう場合があるでしょう。
そのとき「オレ、何も考えてなかった」という一瞬のローバイがどうしても出てしまうわけです。
するとその「ハッ」した視線をですね、A先生はスルドク「ガキッ」と受け止めるのがわかるわけです。
これはなんというかね、手ごたえ、という言葉があるでしょう。
つまりあのかんじだからエート、これはやっぱり「眼ごたえ」というのでありましょうか。
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※椎名誠さんの「さらば国分寺書店のオババ」の一節を利用させていただきました。
いかがでしょうか?「ですます調」から「である調」になったり、漢字をカタカナにしたり、
「ガキッ」という擬音語、おもしろい文章だと思います。
書こうと思ってもなかなか書けません。
稼プロブログでは、さすがにこの文体では書きませんが、どこかで挑戦したいと思います。