東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

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追想、さくらももこさん

2018-08-31 12:00:00 | 18期生のブログリレー
稼プロ18期の杉山です。

 静岡県が生んだ人気少女マンガ家でエッセイストのさくらももこさんが8月15日に亡くなりました。53歳の若さでした。突然の訃報に驚かれた方も多いと思います。かくいう私も同じ静岡県人として(私は静岡市出身、さくらさんは隣の清水市出身、今は市町村合併で同じ静岡市になっています)、親しみを感じていただけに非常に残念です。

 追悼の意味を込めまして、幅広い世代に愛されている国民的マンガ“ちびまる子ちゃん”のヒットの要因について、日ごろ私が感じていたことを綴りたいと思います。

①コドモの中のコドモにターゲッティング
 今回ブログを書くにあたり、中1の次男に「まるちゃんってどんなところが面白いって思う?」と質問したところ、しばし沈黙の後、帰ってきた答えは、ひと言「日常…」でした。我が子ながら、的確な表現!確かにちびまる子ちゃんで描かれるのは、あり触れたコドモの日常生活です。当たり前ですが、コドモ時代を過ごしていない人はいません。丁寧に描写された日本人の郷愁に訴えかける物語が、幅広い世代に共感=“あるある”をもたらします。マーケティングでは、顧客一人ひとりの個性や好みに合わせて市場を細分化していきますが、誰もが経験のあるコドモ時代の思い出をターゲットに、いわばコドモの中のコドモを描写することで、国民的なヒットにつなげたといえないでしょうか。
(余談ですが、少年マンガの大家である本宮ひろし先生は、「コドモは自立を求めている」と、“コドモ社会の中で自立している主人公”=“コドモの中のオトナ”を描いてヒット作を世に送り出しました。同じマンガ家でも、作品づくりのアプローチは大きく異なっており、こうした作者のネライの違いを比べることも面白いのではないかと思います。)

②世界観を守るこだわり
 マンガはマンガ家が描きますが、アニメはアニメ制作会社が作るもの。したがって両者は別物で大好きだった作品がアニメ化されるとき、原作と合わない脚色が施され、ガッカリしたことのある人は意外と多いのではないでしょうか。
 その点、ちびまる子ちゃんは、原作の雰囲気を損なわず、アニメ化に成功した稀有な事例といえます。それもそのはず、原作者のさくらさんがアニメ番組の脚本に参加しています。作品の世界観を守るために、さくらさんがこだわった点です。
 また、1990年に放映開始したちびまる子ちゃんは、3年ほど放送した後、人気絶頂にも関わらず、約2年間休止しています。この理由は、「どんな作品でも3年以上人気は続かない」と考えていたさくらさんの思い切った判断によるものです。しかし、休止期間を経て、作品のクオリティを保つ体制ができると判断した後は、一度も途切れることなく放映が続いています。このように世界観を守るための強いこだわりが作品のブランドイメージを高めたと私は考えています。

③リアルなローカル情報の発信
 ちびまる子ちゃんを観ていると、静岡ご当地ネタがこれでもかと出てきます。“フェスタしずおか”(昭和40年代後半から約30年間、毎年8月に開かれていたお祭りイベント。芸能人が出演する歌謡ステージが目玉で、西城秀樹さんがほぼ毎年出演)や“巴川”(静岡~清水を流れる2級河川、ちびまる子ちゃんでは洪水のエピソードあり)、“いちばん星みつけた”(地元のテレビ局が放送していた、ちびっ子のど自慢大会。これに出演することが静岡のコドモの憧れで、ちびまる子ちゃんでは、花輪くんが出演する回があり)などなど。
 今でこそ、地方のローカル情報は全国放送でも数多く流されています。しかし、こうしたローカル情報が、地元の人だけでなく、誰もが楽しめる面白いコンテンツだと世に気付かせたのはこの作品の功績であると、私は密に思っています。視聴者に一体なんだろう?と不思議な印象を残すと共に、作品にリアリティを与えて、さくらさんがこだわった世界観を守ることに一役買ったと推察します。

 さくらさんの訃報の翌日、近所の書店に駆け込み、未読であったエッセイ3冊をまとめ買いしました。簡潔な文体、絶妙な言葉のチョイス、1ページ目から読者を引き込む文章力。改めてお見事と感じました。奇しくも稼プロでは「書く」をテーマに講義の真っ最中。ビジネス小論文とエッセイは異なりますが、執筆の合間の息抜きに、はたまた文章表現の参考に、「現代の清少納言」とも評された希代のエッセイの名手の文章をぜひ一読されるのはいかがでしょうか?
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ペットにやさしい場所

2018-08-30 05:47:04 | 18期生のブログリレー
皆さんこんにちは。講師の富岡淳です。

今年の夏はどう過ごされましたか?
私たち家族は、伊豆高原の「愛犬の駅」というところに行ってきました。
その名の通り、ワンちゃんと飼い主にやさしい施設です。
ワンちゃんが自由に遊べるドッグラン、プール、ワンちゃんと一緒に
入れるレストラン、ショップなどがあります。

うちでは1年半前から犬を飼い始めました。
とてもかわいいです。家族の一員です。
でも若干困ることもあります。犬が一緒だと行けるところが限られるのです。
そんななか、テレビで紹介されているのを見て「愛犬の駅」を知りました。

感心するのは、ペットとペットオーナーのための配慮がとても行き届いている
ことです。例えばドッグランは屋外と屋内にあります。もし天気が悪くても
屋内で遊ばせられるのです。レストランはきれいで清潔で料理もおいしいです。
ワンちゃん用のスペース、メニューもあります。ショップに置いてある商品も
かなり充実していました。買わなかったけど。
そして同じ経営で、近隣にペットと泊まれるホテルも2か所展開しています。

車で帰る途中、ちょっと気になるバリ島の雑貨屋さんがあったので立ち寄り
ました。ここもワンちゃんだっこで入店OKでした。

どうやら伊豆高原一帯は、ペットにやさしい場所になっているようだと思い、
帰って調べてみるとやはりそうでした。伊豆しゃぼてん公園、ぐらんばる公園、
大室山のリフト、神祇大社という神社なども犬同伴OKだそうです。

どういう背景でこういう状況になったのかは興味があるところです。
いずれにせよ、ワンちゃんを連れてどこへ行こうか?と考えたとき、伊豆高原が
頭に浮かぶのは間違いないでしょう。

富岡淳
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IT導入補助金の説明会に行ってきました

2018-08-29 12:00:00 | 18期生のブログリレー
稼プロ18期生の清水祐樹です。
8月の初旬に、IT導入補助金の説明会があったのでいってきました。
説明会にいったのは、ビジネス小論文のテーマにならないかなと思ったためです。

この補助金は、どういったものかご存知でしょうか?
簡単に説明しますと、業務の効率化や売り上げの向上につながるITツールを新規に導入したら
その導入金に対して補助金が支払われるものです。

また、対象はソフトウェアかサービスに限られ、サーバーを導入したいとか
ハードウェアトークンに対応したい、といったハードウェア面には対応していないようです。

補助金支給額は、15万~50万円(補助率:1/2)

ちょっと少ないですね。
支給金額は小さいのですが、この補助金は特徴があります。

特徴1:支援事業者が、いろいろサポートしてくれる
支援事業者とは、ITツールを提供してくれる事業者で、補助金申請には、この支援事業者が登録してあるITツールを導入する必要があります。
支援事業者は、ITツールの導入だけでなく、補助金の窓口とのやりとりなどを代理で行ってくれます。


特徴2:申請手続きはすべてオンラインで完結する
書類に印鑑を押して郵送、といったことは不要であること。
事業計画や経営計画書といったものも作成は不要であること。
経営診断ツールというウェブ上のツールで診断すればいいだけであり
申請手続きから補助金の支払いまで、ウェブ上で完結するようになっています。


つまり、申請する企業側がやらなければならないことはほとんどないため
補助金申請の負担があまりないことになります。


それと、2018年度の予算は500億円で、昨年度の5倍です(昨年は100億)。
想定利用社数は、昨年が1万5千社だったのに対し、今年は13万5千社と9倍のため
かなり、採用されやすい状態だといえます。
※昨年は補助率:2/3、補助額が20万~100万円だったため、残念ながら魅力は下がっています

説明会は、支援事業者に対してと、ITツールを導入したい中小企業に対しての2部構成で行われました。
私は、両方の説明会に参加してましたが、支援事業者の部のほうが、参加人数は多く
ツール導入する中小企業の部のほうが少なかったです。
会場は、町田にあるでかいホテルで、500~600人ぐらい入るかなり大きい場所でした。
支援事業者の部は100名ぐらいで、ツール導入する中小企業の部は60名だったと思います(かなりざっくり)。
このことから、支援事業者のほうが、この補助金について感心があるということでしょうか。

IT導入補助金のITツールとして、17000ぐらい登録されており、補助金申請をしたい企業は
どういったツールを導入すればいいかわからないと思います。
※補助金のホームページには、いろいろな検索機能があって、ある程度絞込みできるようになっています

説明会でも、中小企業者に対して、まずは商工会やよろず支援拠点になどを通じて
中小企業診断士などの専門家にご相談くださいと説明してました、
業務のたな卸しを通じて適正な助言ができれば、ビジネスチャンスに広がるのではないでしょうか?
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夏の高校野球を考える

2018-08-28 12:00:00 | 18期生のブログリレー
皆さま こんにちは。
稼プロ18期の舌歯 昌洋です。

本日は、全国高校野球選手権大会(いわゆる夏の甲子園)について書きたいと思います。
全くの私見ですが、3点私の考えを示します。

論点1
暑い時間帯に試合をする(させる)必要はあるのか。
論点2
連続で試合をする(させる)必要はあるのか。
論点3
甲子園球場である必要はあるのか。

論点1
暑い時間帯に試合をする(させる)必要はあるのか。

日本の夏はもうとんでもなく暑くなっています。気温35度などというのもザラです。グラウンドにて直射日光を浴びていると、体感温度はさらに上がりまして40度の灼熱地獄となります。
これはお読みくださっている方への質問ですが、以下の条件で最近運動したことがありますでしょうか?
①気温35度
②照りつける直射日光
③野球場等の野外運動場
④2時間程度(野球1試合分程度)
私は今年の夏に少年野球のコーチという立場でこういった条件を身をもって体感しました。
感想を申し上げると、無理ゲーというほかないです。


そんな中、京都地区大会では準々決勝にて昼間の暑い時間帯を避けてナイターで試合を行う取り組みが行われました。
産経新聞の報道によると、当日の第四試合は午後7時開始、午後10時半終了になったそうです。

練習で鍛えた選手だけでなく、球場にはブラスバンド部・チアリーダー・一般生徒等たくさんの子供が来ています。彼らの体調を守るというのも、大人である我々の責務の一つではないでしょうか。
京都の試みが、浸透することを期待します。

論点2
連続で試合をする(させる)必要はあるのか。
今年のスケジュール表によると、決勝戦を戦う2チームは、8月18日から21日までの4日間で3試合を消化する必要がありました。

準優勝の秋田県代表金足農業高校は典型的でしたが、エースの力量が突出しているがために、エースが連投し続けていました。

こういう連投は怪我(故障)に繋がります。あのような素晴らしい才能の選手を、(言い方は悪くて恐縮ですが)高校野球大会程度で潰してしまってはいけないと思うのです。
もっと体を鍛え、技術を磨くことで、日本プロ野球や米国メジャーリーグなどで今後10年、20年と活躍できる可能性だってあります。

試合が連続すると怪我のもとなので、試合を不連続にすることでこの問題点をクリアできないでしょうか。
例えば、大会日程を3つに区分します。
①ベスト8決定まで
②決勝戦進出校決定まで
③決勝戦
それぞれの区分の間で中一週間置くと、選手は適度な休養が取れますので、怪我もしにくいしパフォーマンスも良くなると期待できます。

論点3
甲子園球場である必要はあるのか。
論点1の議論でも申し上げたように、日本の夏は暑いのです。そのため暑さを避ける方法の一つとして、時差開催ということを述べました。
ここでは暑さを避ける別の方法を検討します。

端的に申し上げると、「ドーム球場」を使うのはどうかということです。
選手も、応援する生徒も、一般の観客も体感温度40度の灼熱球場より、空調の効いた空間で試合に集中するほうが野球を楽しめること間違いなしだと私は思います。

まとめ
ブログの記事を書きながら、キーワードで検索を行うと同じような意見が公表されていました。
そのうちで、元オリックス・元マリナーズの長谷川さんの記事をご紹介します。

朝日新聞などイベントの主催者側にはお金という事情があり、過酷な環境で無理を強いることで、人工的な感動ストーリー量産を意図しているのではないかという疑念が生じました。
きれい事ですべて回すわけにもいかないのは理解しますが、大人の1人としてはシンプルに子どもたちが安全に野球に打ち込める環境を準備してあげたいと感じました。

長文お読みいただきありがとうございました。
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「経営診断の目的と診断ニーズ」

2018-08-27 03:57:58 | 18期生のブログリレー
「稼プロ!」18期 運営チームの小林 隆です。

前回に続き、来年の1月に予定されている「診断実習」へ向けて、中小企業診断士(経営コンサルタント)が中小・零細企業のコンサルティンを行う際、おさえておきたい事について記載します。

第2弾は、「経営診断の目的と診断ニーズ」についてです。内容の多くは、「当たり前だ」、「そんなこと知っている」という部分が多く含まれるものと思いますが、実際に報告書を拝見すると、診断の「目的」や「ニーズ」にきちんと応えていない報告書が多く見られますので、まずは認識の共有を図ってまいりたいと考えています。


一般的に経営診断の目的は、個別に指定されたテーマがない限り、診断企業の経営改善提言、又はよりよく企業の成長を促すための施策提案により、企業経営者の行動変容を促すことにあると、私は考えています。

一方、経営者がコンサルタントに相談を持ち掛ける場合は、経営者自身の「診断ニーズ」がすでに存在しています。その場合は、経営者が何らかの経営上の問題点に直面し、経営者自身がそれなりに、問題点やその原因、課題を把握しています。

ちなみに、 ここでいう問題点とは、経営上の不具合が顕在化された状態・状況、あるいは表出していないものの時間の経過あるいは外部環境の変化等によって顕在化する内在された事柄のことであり、それらの解決へ向けてなすべきことを課題と言います。

診断にあたり、コンサルタントである私たちは、社内や周辺環境のヒアリングや現場の視察・調査を通じ、当該企業の客観情報を収集し、① 問題点を把握し、② 原因を分析し、③ 改善提案をして行きます。

おのずと経営者へのヒアリングのウエイトが高くなりますが、経営者が認識している診断ニーズや重要と考えている問題点・原因・課題は、それが当該企業の経営改善を測ったり、成長を促すための本質的な問題点や原因とずれている場合があります。私たちは企業に対する医師のようなものですから、患者が知覚すし訴える症状や症状だけを聞いて、診断をくだすわけには行きません。私たちには会社全体を見渡して、企業のために真に必要なこと、重要なことの把握と優先順位を付けて改善策を提案することが求められます。

医療の現場では、問題指向型(Problem-oriented : PO)臨床診断というものがあるようです。そのプロセスの概略は以下の通りです。
① S(Subjective) : 患者の訴え(そのまま患者の訴え通り、受け取ってはならない)。
② O(Objective) : 他覚的所見。五感を駆使して患者の状態を捉えた後、各種検査結果を加える。
③ A(Assessment) : 医師の解釈、診たて。
④ P(Plan ) : ③Aに基づいた、今後の治療、対策。
①Sと②Oは、客観的事実が重要であり、医療者の主観を交えず行い、③Aにおいて診断をくだし、④Pで治療計画をたててゆく手法です。
<参照:ウイキペディア,「診断」,2018/8/24,
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BA%E6%96%AD>

私たちも、診断の現場で同様のプロセスで診断結果と改善提案を実施して行きますが、医療と少し異なるのは、企業の経営者が聞きたいこと、すなわち診断ニーズには、多少 本質的な原因から離れていても、診断報告書には回答を用意する、ということです。経営者自身が聞きたいとことに回答することは、経営者の診断に対する満足度を高めることにつながるからです。

当然、本質的な問題点・原因・解決策の提案にウエイトを置きますが、経営者自身のニーズを無視しないということが、大切です。

しかし、ややもすると多くの診断報告書が、それぞれのコンサルタントの専門領域や、コンサルタント自身の思い入れの強い部分に偏り、診断される企業の客観的状態や、経営者のニーズを満たしていないことがあります。

相手の聞きたい事と、コンサルタントが認識する優先順位の高い重要な事項をバランスよく、上手に診断報告書に盛り込むことが大切です。
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