東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

右筆(ゆうひつ)

2024-08-31 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは。20期卒の安納一貴と申します。
24期生の皆様、はじめまして!まだまだ続くカリキュラム、是非楽しんでください!

4月からよろず支援拠点での窓口業務に携わって半年弱。事業者様のお話を聞く機会が、とても多くなりました。前職では専らウチに籠っての開発関連業務でしたので、稼プロ!での教え(特に“聴く”分野)がとても役に立っていると感じる今日この頃。今年は、学び直し参加しようかとも検討しているところです。

さて、窓口業務におきましては、教えを思い出しながら、まずは聴きに徹して現状をじっくりお話いただきます。そして伺った内容を整理しながらご説明申し上げ、こうした状況ということでよろしいでしょうか?と形で確認をとっています。

この段階で、何となくほっとしたような表情をされる方がいらっしゃいます。買い被りかもしれませんが、分かってくれた、と感じていただけているような。まず現状を共有することが、とても重要なワンステップなのです。ラポール構築の第一歩です。

そして思いますのは、まず「右筆(ゆうひつ)」になることだな、ということです。右筆とは、その昔、お武家様などのそばに仕え、文書の書き起こしや管理をする文官である、と理解しております。この仰っていることを書き留めて整理する、といったことは、まさしく右筆のお仕事に当てはまるのではないでしょうか。

さらに、いただいた販売データや会計資料、組織の状況などを伺って、図やグラフ、票の組み直しをして見える化する、といったことも、現代の右筆の仕事、といえるかもしれません。もしかするといずれ(いやもう?)AIが上手くやってくれることなのかもしれませんけれど、相手の表情を見て受け答えすることまでは、荷が重いでしょう。

助言に入る前の現状把握、そしてお互いのコンセンサス。はじめにこれらがとても大事だと感じる昨今であります。

以上、お読みいただきありがとうございました。

 

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コンサルティングとコーチング

2024-08-30 12:00:00 | 24期のブログリレー

 皆さん、こんにちは。24期の今村です。

 あまり活動できていませんが、銀座コーチングスクール(GCS)という団体の認定コーチを3年前からしています。コーチングを学ばれている診断士の方も多いようで、いろいろと広がりそうです。

 そもそもコーチングとは、何か。

 国際コーチング連盟では「思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くこと」と定義されています。

 GCSでは「パフォーマンス向上のために、対話によって対象者を勇気づけ、”気づき”を引き出し、”自発的行動”を促す」とあります。

 いかがでしょうか。中小企業診断士の伴走支援に近いイメージではないでしょうか。

 いま思えば、5年前に経営者の先輩から「これ、今村さんがやろうとしていることに近いよね」と「一兆ドルコーチ」という本を勧められ、そこから企業参謀や経営参謀と書かれた本を集め、診断士へと繋がりました。

 コーチングの大きな特徴として、「クライアントの中に答えがあり、教えたり、アドバイスすることは基本的には行わない」があります。その上で、コーチングのプロセスは以下になります。

  1. 信頼関係(ラポール)の構築
  2. 目標設定(未来志向)
  3. 現状把握(目標とのギャップや、今あるリソースの確認)
  4. プロセスの設定と行動の促進
  5. 定期的なフォローアップ

 代表的なコーチングスキルは、以下4つです。

  1. 承認:評価はせず、事実・存在そのままを認める・伝える
  2. 傾聴:クライアントに集中し、話を深く聴く
  3. 質問:効果的な質問で気づきを促す
  4. フィードバック:感じたことを率直に伝える

 中小企業庁の「経営力再構築 伴走支援ガイドライン」にも、コーチングについて以下の記載があります。

 

 「コーチング」とは、本人が、自分が抱える課題について内省し、自ら解決に取り組むよう導くやりとりの手法で、主なスキル は傾聴と質問であり、コーチと本人の間で1対1で行われるものと定義されます。やりとりを通じて意味が共有され、意味づけが変化する双方向のコミュニケー ションのためには、傾聴や質問による双方向のやりとりと意味づけの共有という関わり方が不可欠であるとの考え方は、コーチングと経営力再構築伴走支援で共通しています。

 傾聴によって聴き出した内容をベースとして、さらに問いかけを発することによって、相手の想い、考えを余すところなく言語化してもらうとともに、その問いかけによって相手の頭の中を整理し、出口の具体化を促していくのが「好ましい対話」であると言えます。 

 相手の考えがある程度まとまってきたところで、支援者側から提案を行うことも 有効です。他方、問いかけにせよ、提案にせよ、一方的なものとはせず、相手の気づきや腹落ち、内発的動機づけを促すこと、経営者と「一緒に考えていく」ことを意識して行うことが良いでしょう。

 

 中小企業庁 独立行政法人中小企業基盤整備機構 経営力再構築伴走支援推進協議会

 「経営力再構築 伴走支援ガイドライン」  令和5年6月 P.17

 

 ガイドラインにもあるように、実際には、コーチングとコンサルティングの掛け合わせになるケースがほとんどだと思います。あるいは、そんなことよりも、目の前の数字や問題を何とかしないといけないケースの方が多いかもしれません。それでも、コンサルタントとしてどうあるべきか「あり方」を常に意識しながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。

 

 

 と、お気持ち表明で終わるのは、コーチングとしてNGです。プロセスの設定、スモールゴールが必要です。

 ということで9月は、①依頼いただいている仕事を期待値の150%で完遂して次に繋げること、②疎遠になっている経営者の先輩方に手伝えることがないか連絡してみること、この2本立てでいきたいと思います。

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人を大切にする経営

2024-08-29 12:00:00 | 24期のブログリレー

読者の皆さんこんにちは。
16期生の大石泰弘です。

今回は人を大切にする経営についてです。

事業経営の目的は、関わる全ての人を幸せにすることだという経営を、人を大切にする経営と言います。
1円でも多く稼ぐことは手段と考えます。ですから社員や顧客や下請けを犠牲にして自社の利益や経営者の所得だけを増やそうとはしません。

「全ての人」では漠然としているので、大きく関わるひと5者で表現して「5方良しの経営」とも言います。
5者を、大切にする順番で書くと以下のようになります。
①社員とその家族
②社外社員(協力会社など)
③現在顧客と未来顧客
④地域住民、とりわけ障がい者や高齢者など社会的弱者。
⑤出資者ならびに支援機関

お客様が一番でないのは、お客様をないがしろにしているわけではありません。
お客様を感動させる価値を提供し続けなければ事業は継続できません。その価値を作りこむのが社員と社外社員、その働ける状態を支えているのがその家族だからです。
この3者は、同格とも言えます。

人を大切にする経営をしている企業の表彰制度があります。人を大切にする経営学会が
主催する「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞です。

応募条件は以下です。
過去5年にわたって、以下の6項目全てに該当していること
①希望退職者の募集や人員整理(リストラ)をしていない
②重大(死亡や重傷)な労働災害を発生させていない
③一方的なコストダウン等理不尽な取引きを強要していない
④障がい者の雇用率は法定雇用率以上である
⑤営業黒字で納税責任を果たしている(自然災害や為替レート等の大幅な変動等による赤字等を除く)
⑥下請代金支払遅延等防止法等の法令違反がない

この賞を受賞した東北の5社を先週訪問してきました。
どの企業も稼ぐ戦略がしっかりしていて、福利厚生が手厚いです。また、共通点として
社員さんが障がい者も含めてきびきびと働かれていて、且つ職場の雰囲気がぎすぎすしていません。

松戸にも受賞企業が1社あり、年に何度か朝礼に参加させてもらっていますが、もう5社
松戸に受賞企業が生まれるようご支援したいと思っています。

今週の土曜日と日曜日は立教大学で人を大切にする経営学会の総会があり、受賞企業の方々からアドバイスをいただけるのが楽しみです。

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物と情報の流れ図

2024-08-28 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆さん、こんにちは。24期生の山口です。

前回、私は、以下の3つをコンセプトにして、1年間ブログを書いて行きますと述べさせて頂きました。
・診断士として、やりたい領域のネタであること
・何らか知識向上につながりそうなもの
・実践に活かせそうなもの

2回目の今回は、2つ目の「何らか知識向上につながりそうなもの」を意識して書かせて頂こうと思います。

以前、会社のある研修で、トヨタ生産方式の本を読む機会がありました。読まれた方もいるかもしれませんが、トヨタ生産方式の生みの親:大野耐一氏が書かれた「トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―」という本です。1978年5月 第1刷発行の本で、40年以上読み継がれている名著です。研修の際は、貸出で読みましたが、先日、読み返そうと思い購入したところ、なんと2024年4月 第119刷発行の本が届きました。現在も増刷されているようです。

トヨタ生産方式といえば、ジャストインタイムと自働化が大きな軸ですね。この本にはさまざまなエッセンスが含まれており、トヨタ生産方式がどのようにして生まれ、どのような想いで、どのように発展してきたかが、よくわかる本です。製造業に興味のある方は読まれてみても良いのではと思います。

さて、このトヨタ生産方式を発展させていくために生み出されたツールの1つに「物と情報の流れ図」というものがあります。今回のブログでは、この「物と情報の流れ図」を取り上げたいと思います。
「物と情報の流れ図」は、「物情(ものじょう)」とよく略されて言われます。この「物情」は、取引先から部品が工場に納入され、工場の中で、部品ストアから組立ラインの各工程に搬送され、組付けられ、完成品となり、完成品ストアに入り、その後、注文に引き当てられ出荷される一連の物の流れとその物が流れるためのトリガーとなる情報がどこからどのようなタイミングで伝達されているかを見える化したものです。この「物情」により、どこにムダや停滞、仕掛り在庫が存在するかが一目でわかるようになり、何を改善すればよいかが明確になるというものです。

私も研修で、実際に描いてみたことがありますが、奥が深いです。描こうと思えば、それなりに描けるのですが、目的は、コストダウンや生産性向上、仕掛り削減などの改善です。この目的に叶うレベルの「物情」が必要です。そのためには、まず、物の流れの全体像を把握する必要があります。その上で、実際に現物、例えば部品が、どの納品口に納入され、そのあと何をトリガーにして部品ストアに搬送され、何をもとにどこに置かれ、何時間 or 何日ストアで滞留し、その後、何をトリガーに組立ラインへ搬送され、工程では何分or何時間滞留していて、工程間の仕掛りはどのくらいあって、最終完成までどのくらいのリードタイムが掛かっているのか、1つずつ調べて「物情」に落とし込んでいく必要があります。
また、組立ラインのレイアウト変更や、工程変更があった場合、物情も修正が必要になります。

個人的な感想としては、使いこなすには難易度は高いと感じました。一方、全体の流れが大きく変わっていなければ、問題点や改善ポイントも大きく変わることもあまりありません。得てして、これら問題点・改善ポイントは、真因を絶たないと解決しないことが多いため、「物情」を一度作成して真因を特定し、そこを潰しにかかるためには非常に有効と感じました。

先日、「物と情報の流れ図」をキーワードにネットで検索したら、トヨタイムズのwebページに、この「物情」を活用して、自動車のメーターのソフトウエア開発プロセスの改善を図ったという記事がありました。製造現場で使われている物情を、開発プロセスで活用していることになるほどと思いました。見えないプロセスを見える化することで、問題点を明確にし改善を図って行く、いろいろな場面で活用できるのだなと再認識させられました。

この気づきも、稼プロ!のブログリレーのおかげだなと思いました。今後も、色々な気づきを蓄積していきたいと思います。

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価格転嫁・賃上げの取組について思う事

2024-08-27 12:00:00 | 24期のブログリレー

読者の皆様こんにちは。
17期の渡邉です。

私は現在岡山県で実家の会社を継いで工場の保全業務を行う会社の経営をしながら、
診断士としては岡山県よろず支援拠点のコーディネーターや各種専門家派遣等の仕事をさせて頂いております。

この度、9月3日に岡山労働局の主催するセミナーにおいて「賃金引き上げの取組・価格転嫁の事例紹介」
というテーマで話をさせて頂くことになりました。私の会社で行っている事例を話して欲しいということでした。

私の会社でもここ3年で一人当たり賃金は平均13%程度上昇させており、当然顧客に対しても値上げ交渉を行って
きております。その事例をお話しする予定ではあるのですが、細かい内容はネタバレになってしまうのでここでは
伏せておきます。

セミナー用の資料作成にあたり色々と考えていたのですが、「価格転嫁」だけで満足してはいけないなと思うよう
になりました。価格転嫁とは、材料費等の値上がり分を顧客への販売価格へ転嫁することだと思います。
今までは、価格交渉の際は原価を出してどの費用がどう上がったからいくら値上げさせてください、という形で
交渉をしてOKをもらって満足していました。ただ、当然ながら価格転嫁しただけでは会社の利益はトントンです。

今後は、利益の分も値上げできる会社になっていきたいと思っています。価格交渉としては、「弊社のサービスが
御社に与えているメリットはこれだけ増加しているので利益の分も値上げさせてください」と言えなければなりません。
そのためには当然会社としてレベルアップしていく必要があり、社員にも高い意識を持ってもらって日々の仕事に励ん
でいってもらう必要があります。

賃上げについても今後人材を確保して生き残っていくために「賃上げしなければ」とずっと思ってきました。今も
それは思っているから賃上げをしているのですが、社員が「黙っていても給料が上がる」と勘違いされては困るので
社員への意識づけには気を付けています。政府はプロパガンダの様に「賃上げ、賃上げ」と言っていますが、本質的
にはどれだけ社員がレベルアップできて、それを正当に評価できるか、だと思っています。レベルアップできない
のに給料だけ上がっていくのは何か違うと思うので、履き違えないように注意していきたいと思っています。

9月3日のセミナーは基本的には中小企業向けなのですが、労働基準監督署の監督官もたくさんいらっしゃるそうなので
緊張するのですが、監督官にも認めてもらえるように頑張りたいなと思います。

それでは今日はこの辺で。

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