稼プロ17期生の井上と申します。
人生初ブログとなります。宜しくお願い致します。
さて、皆様は「アウフヘーベン」という言葉はご存知でしょうか。
最近では、築地の豊洲移転問題について小池都知事がコメントで使用したため
少し注目を集めている言葉でもあります。
「アウフヘーベン」の意味を調べますと、ざっくりですが以下の内容となります。
・あるひとつの命題(テーゼ)と、それに反対・矛盾する反命題(アンチテーゼ)との二つの相反する命題を
互いに否定しつつも生かして統合し、より高次元の段階である総合命題(ジンテーゼ)を導くこと。
・矛盾するものを高い次元で統一し解決すること。
・弁証法という問題解決の方法論で、日本語では「止揚」と訳される。
難しい言葉ですが、築地の豊洲移転問題では、以下のニュアンスで使われているようです。
「築地市場の老朽化や、豊洲の土壌汚染の問題がある中、
築地ブランドを活用して築地を守ること、また豊洲を活かすことを両立させていく
高いレベルで新しい市場の在り方を検討すること。」
上記については、玉虫色で分かりにくいといった意見も一部あるようですが。。。
ところで私は、勤務先の研修で「アウフヘーベン」について習ったことがありました。
その研修は、「社会課題を自分ごとと捉え、既存の解決法よりも効果的かつ持続可能で、
創出される価値が社会全体にもたらされるビジネスモデル」を考えることを通じ、
「創造的思考」(※1)を学ぶといったもので、例えば、
「売り手と買い手」、「社会的責任と経済的利益」などといったテーマにて、
社会の矛盾を探り、「アウフヘーベン」してソリューションを導き出すといったことを行いました。
具体的には、介護離職といった社会問題に対し、私は、
「働きたい」、「介護したい」、といった矛盾をアウフヘーベンすることを考えたりしましたが、
他の研修参加者には、エネルギーに関する社会の矛盾をアウフヘーベンし、
電力の資源や発電方法に関する、売り手と買い手の意識変革を促すソリューションとして、
福島県で「藻」を活用した再生可能エネルギーを体験させる事業を考えたレベルの高い方もいました。
さて、この「アウフヘーベン」ですが、
稼プロの初回講義で学んだ診断士の三意の一つ「創意」を持つことに通じるのではないかと思いました。
「アウフヘーベン」を意識したり考えたりすることにより、
診断先企業が抱える矛盾やジレンマを高い次元で統一して解決策を創出すること、
さらには、近江商人の三方良し(※2)の心得のように
自身の経済的利益を確保しつつ、診断先企業の課題対応を支援し、
社会に価値をもたらすことを考えるのが「創意」をもつことに繋がるのではと、
講義のあとに考えを巡らせましたため、本内容をブログに記載させて頂きました。
以上となります。最後までお読み頂き、有難うございました。
※1「創造的思考」: 問題に直面したときに、新しくて有意義な着想を生み出す思考
※2「三方良し」: 売り手良し、買い手良し、世間良し、の考え方・心得