あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

エリア・カザン監督の「革命児サパタ」をみて

2016-05-09 11:00:52 | Weblog


闇にまぎれて cyojin cine-archives vol.1009


 貧しい農民の地位向上めざして損得抜きに権力者と戦う純粋な革命家は、結局大人な政治家の奸佞邪知にひっかかって、あわれ無惨な死を遂げる。いつかどこかで見たような悲劇がここメキシコでも繰り返されていたのだ。

 純白の愛馬との再会を喜ぶサパタ。それが敵の陰謀であると知った愛馬の揺れ動く黒い瞳。それまで主人公の悪戦苦闘に寄り添っていたエリア・カザンは、ここで初めてサパタを突き放す。

 やがて革命家の全身をつんざく無数の弾痕。見事というも愚かな名監督畢生の名シーンだが、サパタに成りきったマーロン・ブランドとその兄アンソニー・クインの演技が素晴らしい。



  酔っ払いが切断された両足を呆然と眺めている昼下がりの小田急桜が丘駅 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする