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蝶人物見遊山記第204回
總持寺は鎌倉時代に能登国の現輪島市に開かれた永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山ですが、明治31年の大火を転機に横浜鶴見の丘の上に引越し、爾来1世紀を越える歳月が経ちました。
おりしも今年が開祖ノの700回、二祖の650回遠忌に当たるということで、その寺宝の数々をなぜか鶴見でも川崎でも横浜でもなく鎌倉で公開する運びになったのは、深い訳でもあったのかと首を傾げてみたものの、てんでなーにも無さそうです。
鎌倉は我が国の禅宗発祥の地ですが、同じ禅でも栄西ゆかりの臨済禅が主流で、道元さんなどの曹洞禅とは縁もゆかりもないはず。私などそもそも禅宗に無縁の徒はその違いなど知るよしもなく、まあ禅仲間のネットワークでつながったのが今回の展覧会の特色でしょうか。
總持寺に行ったことすらない私には、「總持寺の至宝」と大きく出られても、山本リンダじゃないけど、こまっちゃうナ。
ずらずら並んだ仏像や禅画や墨書は、いつもここに展示されているそれらと全く同じ表情をしていて、その細かな相違や値打についてなんの知識の持ち合わせもない私は、ただ「ありがたや、かたじけなや」と一礼して、青葉若葉の陽光の下にアオバセセリのように飛び出したことでした。
あら尊と達磨大師の目玉かな 蝶人
大いなる歯痛に耐えつつ眺めたり国立劇場「絵本大功記」 蝶人