あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

スピルバーグ監督の「リンカーン」をみて

2016-05-21 13:19:06 | Weblog


闇にまぎれて cyojin cine-archives vol.1016



黒人も白人も黄色人種も神の前にあっては生まれながらにして平等であるという常識を貫くために悪戦苦闘する孤独な大統領の半生を粛々と描く。

にんげん頭の中では正邪の理屈がわかっていてもなかなかその通りに手足が動くものではない。反対派の領袖がリンカーンに寝返ったために奴隷解放令はぎりぎりの逆転多数で可決されるのだが、その寝がえりの理由は黒人女性を愛人にしていたというのはいかにもと納得できる。

中国や朝鮮を大嫌いな連中も、その国誰かを愛するようになれば、ただちにヘイトを止めるようになるだろう。情は知よりも強いのである。

リンカーン当時の米国は奴隷制の是非を巡って真っ二つに南北に割れていたが、トランプ台頭の現在、再びそういう国家分裂の危機に瀕しているといえよう。


 トランプがジョーカーを切る黒魔術世界はたちまち暗黒と化す 蝶人


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