あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

よしなしこと

2017-06-20 14:17:39 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 253


強暴なる共謀罪を違法通過させたり、森友、加計学園で見ざる聞かざる言わざるのご意向忖度政治を強行したために、さすがの産経読売ファシスト新聞の世論調査でさえも内閣支持率が低落したらしい。

慶賀すべきか、はたまた遅すぎる、鈍すぎると面罵すべきか、いささか迷うところだが、どうせ煮ても焼いても食えないこの国の「大衆の原像」は、75日も経てば元の木阿弥の自堕落権力奴隷状態に戻ることだろう。

安倍蚤糞や官房長官のカンのけたくその悪い悪人顔が出てくるたびに、テレビのチャンネルを変えると、宮根やとか時事通信のオオダヌキとかフジテレビの子タヌキとかが顔を出すので吐き気がする。

そこで生方ななえ嬢の麗しきかんばせとか、火野正平のチャリンコ番組、朝ドラ再放送の「こころ」をみるのだが、するてえといっぺんに心が安らぐのはなぜだろう。

「こころ」は耕君の好きなさっちゃん(黒川智花)が出る浅草の鰻屋を舞台にした人情ドラマだが、吉俣良の音楽とスチールつなぎのタイトルがよろしい。同じ朝ドラの「ひよっこ」の桑田選手やテレ朝&国際放映の「やすらぎの郷」の中島みゆきはどもケタタマシクテかなわん。でも「ひよっこ」は増田明美のナレーションが素晴らしい。

「やすらぎの郷」は、倉本聡が最初はあのフジテレビに売り込んだそうだが断られたらしい。いかにも時流に乗り損ねた腐れ局らしい対応であるなあ。
わたくしと同様すでに棺桶に片足を踏み入れた後期高齢者が陸続と登場して、若き日の思い出にふけったり後悔したり、滑稽ないがみ合いを演じたりするという、おそらくはヴェルディの「音楽家のための憩いの家」を参考にした企画はそれなりに面白いが、いかんせん演出の切れ味が鈍い。

それと頑迷な愛煙家の倉本は、主役の石坂浩二をはじめ出演者の多くにやたら煙草を強要しているようだが、これはいかがなものか。煙草を呑まない石坂は、仕方なく喉まで吸引しないで吐き出して抵抗しているようだが、いまどき自他を破壊してやまない毒物を演出の小道具に使わなくてもよろしいのでは。

残念ながら野際陽子さんは亡くなられたが、これからもテレビや銀幕から遠ざかっている老俳優をじゃかすか登場させて、国民的死土産を作りまくってほしいものです。


  監督もその他大勢のスタッフもみな世を去りし映画好まし 蝶人

コメント
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