
照る日曇る日 第1372回
アッシリアを制したペルシアの王キュロスは、どういう風の吹き回しかバビロンに捕囚となっているイスラエルとユダの民、というか旧約の神に味方して?、彼らが帰国してエルサレムに神殿を再建するよう、ヒトモノカネ&違反者への罰則付きでおふれを出すのである。
キュロスにはペルシアの神さんがおったはずだから、これは敵の神さんに塩を送ることになる。それとも当時のペルシアもユダヤ教徒だった、というのか? 浅学の身、先学の教えを請いたいところである。
キュロスの命令は直ちに実行されたものの、後継者のアルタクセルクセス王の時代に反対と巻き返しにあって頓挫するが、そのまた後継のダレイオス王の時代になって、先々君の行政文書が再確認され、本書の主人公がエズラが、多くの友人知己共々、バビロンからエルサレムに帰還して、神殿再興に取り組むのである。
しかし、ここで大問題が持ち上がる。帰還者の中に、異民族と結婚した連中がいることを知ったエズラは、土砂降りの雨の中、全員を神殿の広場に集めて、外国人の妻を追い出すように命じ、実行したのであるが、こういう民族純血主義って、あらゆる宗教を貫通する悪業だよね。
狂乱の銀髪コロナに挑むとも米中玉砕日帝畢んぬ 蝶人